28日、三條機械スタジアムで2012プロ野球イースタン・リーグ公式戦、7.29水害チャリティーマッチのヤクルト対巨人戦が行われた。日中は猛暑に見舞われたが、涼しい風が吹き始めたナイトゲームを約2,000人のファンが楽しんだ。
この日の三条の最高気温は33.5度。グラウンドはみるみる乾燥し、試合前から何度も散水を繰り返し、試合開始直前や五回のあとのインターバルでも散水。夕方になると気温も30度を下回り、しだいに過ごしやすくなった。
両チームの選手はかんかん照りの午後から練習を続け、プロの練習を間近に見ようと早々に会場を訪れる人もいた。
エフエムポートのナビゲーターによるステッカーキャンペーン、ヤクルトのマスコットキャラクターつば九郎とのふれあい交流会、ヤクルトの3選手によるサイン会などのイベントが行われた。
ステッカーキャンペーンには行列ができて用意した500枚のステッカーが品切れになった。近年、燕市とのコラボレーションで燕三条を訪れることがめっきり増えたつば九郎は相変わらずの人気で、つば九郎の周りは常に人垣ができ、つば九郎は射的をあっちこっちにぶっ放すなどお得意の暴れっぷり。しかし、つば九郎が7.29水害の義援金の募金箱を持つとファンが次々と善意を投じ、抜群の集金力も発揮していた。
その横では選手サイン会。練習を終わった新田捕手、一場投手、楠城外野手がその場でサインし、行列をつくるファンに手渡し、握手してサービスした。
午後6時の試合開始を前にオープニングセレモニーを行い、国定勇人市長があいさつ。つば九郎は語呂合わせで「2896」と書き、開通を目指す三条市と福島県只見町を結ぶ国道289号に似ることにふれ、「縁を感じながら皆さんと一緒に大いに盛り上げていただきたい」と期待した。
田島リトルライオンズの五十嵐駿太君から巨人の川相監督、渡辺健太君からヤクルトの真中監督に花束、同様に西小少年野球団「隼クラブ」の藤田将大君、諸橋剣人君から燕商工会議所からのエコカップとJAにいがた南蒲からモモを贈った。
さらに旭スポーツ少年団の橡木健太郎君から巨人の加藤捕手、山沢光輝君からヤクルトの池山コーチに花束、同様に駅南ファイターズの湯本駿太郎君、大崎巧馬君から三条市の名水「千年悠水」、最後にJAにいがた南蒲職員からつば九郎にモモを贈った。加藤捕手は新潟県聖籠町の出身。池山コーチは子どものころ母の実家がある見附市に良く遊びに来ていたという新潟とのゆかりがある。
そして始球式は旧中ノ口村で野菜やブドウを作っているコメリ産直市場の農家、永塚農園の永塚崇嗣さん。スタンドに向かって手を合わせたつば九郎の願いも虚しく、永塚さんの投げたボールは捕手も捕球できない暴投となり、マウンドを下りる永塚さんはつば九郎に頭をたたかれて励まされていた。
6月に同球場で行われたウエスタンリーグ公式戦は雨にたたられたが、今回は雨の心配は無用。スタンドのファンはうちわで仰いで涼をとり、正面玄関前に並んだ店で買った焼きそばやアイスクリームを食べ、ビールを飲みと夕涼みがてらにゆったりと過ごし、プロのパワーとスピードに目を丸くしていた。
五回裏のインターバルは再びつば九郎の出番。散水してグラウンド整備をする三条野球連盟の会員にじょうろの水を浴びせかけていたずらすると、バズーカでスタンドにTシャツを打ち込んでファンをわかせていた。