2学期から第二中学校との小中一体型校舎に移転する三条市立一ノ木戸小学校で29日、現校舎を一般開放した「校舎さよならイベント」が開かれ、卒業生など千人以上が来校して校舎に感謝の気持ちでお別れをした。
同校のPTA組織の父親有志でつくる「一小おやじの会」(土田衛会長・会員23人)が、現校舎を見学する最後の機会として企画。1872年(明治5)に開学した同校の記念写真や卒業アルバム・文集などを公開した「一小『お宝』展示室」、「一小縁日」、スライドショーの「一小映像上映」、校歌を合唱するなどの「フィナーレイベント」を行った。
午後2時の開会前から開場を待つ人もおり、開会30分余りで300人が入場。家族や友人、ひとりで訪れる人もあり、教室で小さなイスに腰掛けたり、黒板にメッセージを残したりして、母校を記憶にとどめようとじっくり校舎内を見学した。
「一小『お宝』展示室」では、昭和39年ころから約50年分の卒業アルバムや文集をはじめ、明治や大正、昭和、平成までの資料を3つの教室に分けて展示した。
昭和34年度の卒業写真から小学生の自分を見つけた64歳の男性は、「じいちゃんだよ」と孫に見せていた。49年度の卒業生の男性は、当時と変わらない木の階段を歩き「雑巾で拭いたり、ワックスかけたり。冬はストーブの石炭を運んだりした」と次々と懐かしい思い出がよみがえった。中学生の女の子たちは「うちら、こんな暑いとこで勉強してたんだよ〜」と楽しそうに黒板にメッセージを書き込んでいた。
午後4時過ぎから、体育館で行ったフィナーレイベントには、現役小学生から、60年以上前の小学生など幅広い世代の約200人が参加。一ノ木戸小学校「特設凧ばやしクラブ」による三条凧ばやしの演奏、第二中学校PTAあじさいコーラスの合唱に続き、「一ノ木戸小学校校歌」を参加者全員で歌い、世話になった校舎に別れを告げた。
一小おやじの会の土田会長は、「たくさんの人においでいただいて、ありがたく思っています。この校舎から送り出してもらった人たちが、今度は校舎に対して卒業式をしてあげたような感じでした」と話していた。