地域のお年寄りの熱中症予防になればと三条市本町1の上町自治会が町内の集会所で「涼しさを求めて集まりましょう」の会 (2012.8.2)

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地域のお年寄りの熱中症予防になればと、三条市本町1の上町自治会(藤井春男会長)は、2日から9日まで町内の集会所「蒼龍庵」で「涼しさを求めて集まりましょう」の会を開いており、エアコンの効いた部屋で真夏の午後の酷暑を涼しく過ごしてもらっている。

前列の左から上町自治会の自治会長の藤井春男さん、その妻で健康推進員でもあるキヨ子さん、民生委員の白吉子さん、後は参加した高齢者
前列の左から上町自治会の自治会長の藤井春男さん、その妻で健康推進員でもあるキヨ子さん、民生委員の白吉子さん、後は参加した高齢者

日曜の5日は休む以外、毎日午後1時から4時まで開き、お茶代で100円の会費が必要。初日2日は78歳から91歳までの男2人、女3人の5人が参加した。この日も三条は最高気温32.4度の真夏日。ちょうどことしは、市にエアコンを新調してもらったばかり。エアコンの効いた和室に入るなり「いやー、涼しい!」、「生き返ったよーろ」と笑顔がこぼれた。

外はうだるような暑さだが、「蒼龍庵」は別世界の涼しさ。建物は日魯漁業創業者、堤清六(1880-1931)の生家を三条市に寄付したもので、趣のある和室にはぜいたくな時間が流れる。テーブルを囲んでスイカや菓子を食べ、冷茶を飲んで世間話に花を咲かせた。このアイデアに「じいちゃん、いいこと考えたね」、「ほかの町内の人がうらやましがってる」、「気が合ってる。昔からの上町らねっかね」と口も滑らかだった。

この企画の言い出しっぺは、自治会長の藤井春男さん(74)=三条市本町1=の次男、芳輔さん(29)=同市南四日町1=。連日の猛暑に父の体調を心配して母のキヨ子さん(69)に電話をしてき芳輔さんは、父ももちろん、高齢者の多い町内のこともあり、熱中症予防に集会所の開放を提案した。

新調したばかりのエアコン
新調したばかりのエアコン

「ありがとう、さっそく行動に移すから」と答えたキヨ子さん。その話を伝え聞いた父の春男さんも7月30日開かれた三条小学校区の自治会長と健康推進員の顔合わせ会で、上町自治会がこの取り組みを検討していることを発表した。キヨ子さんは健康推進員でもあり、話はとんとん拍子で進んだ。

集会所の利用には1回1,000円の使用料がかかるが、自治会の予算を充てることに決めた。一方で民生委員の白吉子さん(64)=同市本町1=にも手伝いを頼んだ。町内の5人に見守り隊からも声かけに協力してもらい、対象の高齢者に回覧を回した。

さらに、キヨ子さんがこの取り組みをフェイスブックで紹介すると、市内の2人がボランティアで演奏したいと名乗り出た。4日午後2時から元浅草芸人の縁竹縄さんが懐かしい歌、8日午後2時から三線のきよ里さんが沖縄民謡を披露してくれることになった。

 蒼龍庵の正面、趣のある建築
蒼龍庵の正面、趣のある建築

「誰も来てくれないんじゃないかと思いましたが、こんなに来てくれるとは思いませんでした」と春男さんは喜ぶ。「熱中症であの世に行ったなんかなったら話にならんから」と笑う。昔の人はもったいないからとなかなかエアコンを使わず、エアコンのない家もあると言う。

苦い思い出もある。自治会長になって間もない十数年前、町内のひとり暮らしの高齢の女性が孤独死しかかった。結局、病院に運ばれて翌日に亡くなった。「遠慮深い方だったので」と春男さん。見守り隊も対象者が希望しないと見守りの活動をできないが、町内ではまだ希望者がない。今回の取り組みで「互いに行き来するきっかけにもなれば」と期待する。

予算の問題もあり、とりあえず今回は9日までとしたが、様子を見て延長する考えもある。「ひとりでも大勢の人から集会所に来てもらって、楽しく長続きできればと思っています」と春男さんは参加を待っている。また、演芸を披露してくれるボランティアも大歓迎で、問い合わせはキヨ子さん(電話:090-2024-3255)へ。


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