3日から19日まで燕市産業史料館で水燕鎚工会作品展が開かれており、燕市と三条市で創作を続ける水燕鎚工会(高橋純一会長)の金属工芸作家7人が制作した合わせて50点が並んでいる。
展示作品は、主に銅に鍛金や彫金が施された花器や茶托、建水、酒器、アクセサリー、さらにオブジェやレリーフなど。会員は50歳代半ばから60歳代後半までのベテランばかりで、熟練した技を凝縮して見せてくれている。
毎回、テーマを決めた作品制作も行っており、今回のテーマは「夢」。三日月にとまるフクロウをモチーフにしたり、酔って夢を語るための酒器を作ったり。夢が開くのを待つつぼみをデザインしたり、花瓶のつながった線を描いて終わりのない夢を表現したりと、それぞれに「夢」から膨らませたイメージを形にして表現して見せてくれている。
深海晃一さん(燕市)「夢」 |
岡本国雄さん(燕市)一輪生「夢の木」 |
高橋純一さん(燕市)「夢想」 |
岡本秀雄さん(燕市)「夢の中へ」 |
石高靖男さん(燕市)銅酒器「夢を語ろう」 |
椛澤伸治さん(三条市)「夢見る頃」 |
細野五郎さん(燕市)黒味銅花瓶「終わらない道」 |
水燕鎚工会は1986年、当時の旧燕市と旧分水町の作家が互いに腕を磨こうと発足。毎年、作品展を開いており、同史料館では今回で4年連続11回目の展示となった。この作品展を楽しみに待っているファンをも多く、初日3日から来場者に切れ目がなく、会場に居合わせた会員から作品を解説してもらいながら鑑賞していた。
鎚起は金属板を鎚で打ちのばす技術で体力、筋力が必要。18歳のころから玉川堂=燕市中央通2=で働く細野五郎さん(62)=燕市新生町=は「みんな年を取ったから一生懸命にならんと、作らんね」、「最近は体力が勝負になってきますね」と笑うが、目の輝きは衰えておらず、余裕さえ感じさせる。
作品展にあわせて5日と12日の2日間、いずれも午前10時から正午まで同史料館で鎚起銅器小皿製作体験会を開き、会員の指導で1人1枚500円で参加できる。さらに5日、12日、19日の3日間、いずれも午後2時から会員による展示作品の解説会を開く。解説会は申し込み府は不要だが入館料が必要。