東日本大震災のチャリティーを兼ねたクールビズのTシャツをと社団法人県央研究所(高野貞子理事長・本所三条市吉田)はこの夏、オリジナルTシャツ「ミクロの世界」を作成。20年以上前に先代理事長、高野雅志さんがかびを撮影した顕微鏡写真をプリントしたユニークなTシャツが完成した。
デザインは5種類。それぞれ胸の部分の顕微鏡写真が異なり、コウジカビ(Aspergillus)2種類とクモノスカビ(Rhizopus)、ケカビ(Mucor)、クロカビ(Cladosporium)をプリントし、それぞれ英名も書き加えた。
左の袖口に研究所のロゴマーク、背中には今も研究所の名刺にデザインしている高野雅志さんの手書きの文字「みえないものが、みえてきた。」を配置。1口3,500円で有償頒布しており、売り上げの一部を東日本大震災の義援金に寄付する。
この夏、同研究所ではクールビズにもなるオリジナルTシャツを企画。研究所内で内勤の職員はこのTシャツを着て働いているが、同じものがほしいという声が相次いだことから、希望者に頒布することにした。
さまざまな企業や団体が東日本大震災のチャリティーグッズを販売しているように、売り上げの一部を東日本大震災の義援金に充てるほかは、研究費に積み立てることにした。
かびの顕微鏡写真は高野雅志さんが撮影したもの。20年余り前に三条市中央公民館でその写真展も開いている。振り返ってみればその後、高野雅志さんが県内のテレビやラジオにレギュラー出演する大きなきっかけともなった写真展だった。
かびというと悪者のイメージだが、最近も大きな注目を集める「塩麹(しおこうじ)」の「麹」も食品発酵に有効なかびを繁殖させたもの。高野雅志さんが撮影したかびの写真も、一般的なかびのイメージを覆すアートのような美しさを見せ、かびとは誰も気付かない。まさに顕微鏡によって「みえないものが、みえてきた」。
高野雅志さんが亡くなって3年になるが、その思いが20年余りの歳月を超えてオリジナルTシャツに蘇った。オリジナルTシャツは同研究所のホームページから注文できる。問い合わせは同研究所(電話:0256-46-8311)へ。