国際書道連盟評議員の外山三合庵(本名・戦太郎)さん(74)=三条市島田2=の書作展が7日から28日まで三条市大野畑、済生会三条病院で開かれており、絵を全面に打ち出した意欲作も展示している。
額入りの小品で漢字書9点、かな書11点、「彩図」と称す絵を描いた作品20点のちょうど40点を展示する。毎日展入選や国際書道連盟展での文部大臣賞をなど数々の受賞歴があり、威風にあふれた作品が並ぶ。
今回の注目は、絵を描いた作品だ。これまでも書に絵を描き加えることはあったが、あまり表には出さなかった。今回は書のない絵だけの作品も初めて展示した。というのも、外山さんが師事した国際書道連盟の叶澄石理事長がことし5月14日に亡くなった。書家の描く絵について「師匠は邪道だと認めなかったんです」と外山さん。描くことはあっても発表は控えていた。
絵を描いた作品のほとんどはことしに入ってから制作した。墨のほかに水彩を使った色鮮やかな舞子がモチーフの美人画、ハナショウブやツバキ、ボタンの花、オウムやハト、カエルなどを描いた作品もあり、これまでにも増して華やかな作品群。ひとりの作家の作品とは思えないほどバリエーションに富んでいる。
50歳を前に本格的に書道を始めた外山さん。今は国際書道連盟展や三条書道連盟展、三条美術家協会展で作品を発表する一方、子どもを対象に書道教室も開いている。済生会三条病院では10年余り前から正月と夏の年2回の書作展を恒例にしている。
「要は楽しめばいいんだ」と外山さん。絵を描くのも「息抜きみてーなもんさ」。師匠を失ったが「この先、日展とか海外に出品する気はないし、これ以上、先生を変える気もないし。フリーの方がやりやすいかも」と穏やかに笑う。