漢学者鈴木文臺(ぶんたい)が江戸後期に燕市粟生津に開いた私塾「長善館」の精神を夏休みに市内の小学校6年生から学んでもらおうと、燕市教育委員会は8日から10日まで粟生津公民館で長善館学習塾を開き、小学生11人が参加して2泊3日の体験学習をしている。
参加したの燕地区5人、吉田地区4人、分水地区2人の6年生で男4人、女7人の内訳。初日は8日は午前9時半から開講式を行ってスタートし、塾長の長善館・吉田勝館長の講義を聞いたあと、近所の特別擁護老人ホーム「愛宕の園」を訪問した。
午後から分水地区の国上寺、五合庵、良寛史料館を見学したあと、英語の勉強。夜は歌の練習とギター体験をした。歌は最終日に再び「愛宕の園」を訪問して利用者に披露する歌を練習した。曲は難病のために17歳で亡くなった燕市の岡村可奈子さん作詞の曲『笑顔を忘れないで』。この曲をレパートリーにして5年になる燕市内のコーラスグループ「コーロ・スプラウト」の代表、田野正則さん(60)=燕市小古津新=が指導した。
歌の前に田野さんは、歌詞の意味を子どもたちにきちっと説明。ピアノ伴奏にあわせて歌って手本を示し、子どもたちは楽譜を手に一緒に歌った。メロディーが覚えやすいこともあり、二度、三度と歌ううちに子どもたちは自然と曲を覚えた。
続いてアコースティックギターの演奏を体験。ただ弦を鳴らすだけでなく、指板を押さえてコードを弾くことにも挑戦。きれいな和音が響くと、自然と笑顔がこぼれ、初めてふれる楽器の楽しさを味わっていた。
2日目の9日は漢詩塾、カヌー体験、英語塾、歌練習、3日目10日は自由学習、漢詩塾、英語塾などを行って終わる。