燕・弥彦総合事務組合が燕市上河原地内に所有する吉田南最終処分場跡地に建設された「メガソーラーTSUBAME site」で22日午前10時半から竣工式が行われ、県内で3番目となるメガソーラー発電所が本格稼働する。9月1、2日は施設見学会も開かれる。
窪倉電設株式会社(窪倉保代表取締役・神奈川県横浜市港北区)が燕市に設立したPVP JAPAN株式会社(窪倉敏代表取締・燕市井土巻3)が建設、運営するもので、竣工式では窪倉代表取締役の式辞や鈴木力燕市長ら来賓祝辞のあと運転開始式を行って発電を開始する。
施設見学会は9月1、2日とも午前10時から午後4時まで行う。ソーラーパネルが設置されている部分は高い電流が流れているので入られないが、展望台などから施設全体を見渡してもらうほか、発電量のディスプレーや施設概要の展示を見学できる。事前の申し込みは必要なく、見学したい人は直接、出向く。
メガソーラーは、出力が1メガワット以上の規模の太陽光発電。県内では3番目のメガソーラー発電所になるが、先行の新潟市と阿賀野市の2カ所はいずれも県事業で、市町村事業では燕市が初めて。
燕市では、7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が導入を前に再生可能エネルギーの利用拡大を図ろうと、遊休地である吉田南最終処分場跡地約4万平方メートル無償貸与する形でメガソーラーを設置できる事業者を公募した。
燕市とPVP JAPANは5月10日にメガソーラー発電所の建設と運営で調印。7月1日に着工し、7,200枚のソーラーパネルを設置した。ソーラーパネルは住宅用に使われているもの同じ日本製で、79ボルトで出力150ワット。5枚ずつを直列するので約400ボルトとなり、それを6,000ボルトの交流に変換して供給する。
8月10日には東北電力から電気を引いて変電設備などを動かし、14日に試験的な発電、東北電力の供給を開始した。発電量は青空が広がった午後4時で500キロワット/時と想定通りで順調。展望台も翌15日には上がられる状態になりそうだ。
窪倉電設では各地でソーラーパネルの設置などを行っているが、メガソーラー発電所の建設は今回が初めて。工事は燕市内の建設会社や電気工事会社に発注した。PVP JAPANの窪倉代表取締役は「最初は雨続きでその後は猛暑が続いたにもかかわらず、着工から1カ月半でここまできました。本当に頑張っていただきました」と短い工期での完成に感謝する。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入でいち早い建設で、ほかに使い道のない遊休地、最終処分場跡地を利用することなどから、注目を集めている。また、太陽光の電力買い取り価格が1キロワット時当たり税込み42円と想定を上回ったことについて窪倉社長は「自然災害の被害に遭う恐れがありますから、買い取り価格が上回った分を保険に回すことでリスクヘッジできることになりました」と話している。