ことし6月まで2年間、青年海外協力隊員としてアフリカ大陸南東部のモザンビーク共和国で音楽教師として活動した燕市分水新町、山家江梨さん(25)が20日、鈴木力燕市長を表敬訪問し、帰国報告を行った。
山家さんはJICAの国際協力推進員と帰国隊員を中心に組織する青年海外協力協会のスタッフとともに午後4時に市役所を訪れた。
山家さんは子どものころからピアノやバイオリンを学び、北海道教育大学芸術学部音楽コースを卒業すると、すぐに青年海外協力隊に参加した。子どものころから音楽の道を志す一方、世界では学校にも行けない子どもたちがいるなかで自身が音楽を続けることに疑問をもち、青年海外協力隊OBの講演を聞いて自分にもできることがあるのではと中学時代から参加を目指した。
現地では首都から80キロの小さな町で初等教員養成校の音楽教師として活動。赴任当時は音楽の授業がなかったが、音楽室を作ってリコーダーや鍵盤ハーモニカを使って授業を始め、音楽の先生を育てた。
初めての授業を終わったときに生徒から拍手が起こり、ありがとうと言われたのが忘れられない思い出。同じ期間、モザンビークで活動した青年海外協力隊員の男性と先月、結婚したばかりで、旧姓は松村。夫と2人で再び12月にモザンビークへ戻り、個人的に音楽活動を続けていく。
鈴木市長に現地での生活を聞かれて山家さんは、水道が出ず、毎日が水をくみに行くことから始まり、停電も毎日のようにあったと話した。中学生のころから青年海外協力隊を目指した山家さんに鈴木市長は「すごいですね」と感心した。
山家さんはほかにも、現地では日本の曲も知りたいというので「ふるさと」を教えたこと、モザンビークに音楽家を集めてチャリティーショーを開いたこと、モザンビークを去るときに子どもたちが悲しくて抱きついてきたことなども話した。
年ごろの娘をもつ鈴木市長は、モザンビークから帰ってきたと思ったら再びモザンビークへ行くことに「親御さんがどんな気持ちだろうと思うと考えてしまうよね」と複雑な親心を共有しながらも、「これからの皆さんはグローバル化した社会のなかで生きていかなければならず、それも社会貢献という形でというのは大切なことだと思います」とさらなる活躍を期待していた。