20日まで埼玉県・越谷市立総合体育館で開かれた第42回全国中学校剣道大会の女子団体戦で3年連続5回目の優勝を果たした燕市立燕中学校(五井勇二校長)女子剣道部は21日夜、同校に帰着し、部員や保護者、市内スポーツ団体関係者など100人近くが出迎えて快挙を祝福した。
午後8時半に同校に到着した選手らは、トロフィーやカップ、優勝旗を手にバスを下り、大きな拍手で体育館に迎えた。「祝 剣道部 全中3連覇! V5達成!!」とある横断幕を掲げたステージに7人の選手と顧問の堀田正秀教諭が並んで座った。
選手5人のうち4人が昨年の優勝メンバーである意味、優勝を義務づけられたような今大会。鈴木力燕市長はそのことにふれ、「すごいプレッシャーだったと思いますけれど、そのなかで見事、それに打ち勝って、あるいは打ち勝つためのさらなる練習を重ねたうえでこの栄冠をつかみ取った。本当にすばらしいと思います」。鈴木市長は「日本一輝いている町燕市」を目指しており、「この選手たちは今、日本一輝いている選手たちだと思っています」とたたえ、選手一人ひとりに花束を手渡した。
主将で大将を務めた3年村山ひなこさんは、「皆さんのおかげで3年連続5回目の日本一を達成することができました」と感謝。結果報告のあと、「この大会を通して努力すれば夢はかなうものと感じました」、「先輩方が4度の全国制覇を成し遂げた伝統を引き継ぐことができて大変うれしく思っています。今後も謙虚な気持ちで燕中学校剣道部は頑張っていきます」とこれからも応援に期待した。
監督を務めた堀田教諭は、「年を追うごとに壁がどんどん厚くなり、高くなり、子どもたちはそれを乗り越えるのが非常に困難な状況」だったが、「2日目を過ぎたところで、この子どもたちの本当に意志の強い意地と執念が実り、試合が進むごとに燕中学校に風が吹いてまいりました。気がついたときには会場の審判員も対戦した学校の皆さんもみんな燕中学校を応援してくれる。そんなすばらしいチームで決勝戦を迎えることができました」と見ている人たちを引きつける部員の戦いぶりを喜んだ。
3連覇を期待され、「子どもたちにもたくさんの重圧やプレッシャーを感じていたのかなと思っております。それに負けずに結果を出した子どもたちは立派だと思ってます」、「このような形で恩返しできたのは監督しても本当にうれしいことだと思います」と選手を誇りとし、感謝した。
歓迎が終わると記念撮影し、プレッシャーや戦いの緊張から解放された子どもたちは、笑顔でいっぱい。互いに写真を撮り合ったりしてはしゃぐ姿は、どこにでもいる中学生の女の子だった。
昨年は3年生の主将1人と2年生4人の部員で戦い、2年生主体のチームで全国制覇を果たした。ことしはその優勝メンバーの2年生4人がそろって3年生となって出場。抜けた3年生の代わりに1年生部員を加えて全国大会にのぞんだ。
3チームによる予選リーグでは練習試合で手の内を知られている那賀川中(徳島)に引き分けたが、塩竃一中(宮城)に勝って勝者数で同じ1勝1分けながら勝者数で那賀川中を上回って決勝トーナメントに進出した。決勝トーナメントでは結果を見れば大差で全国の強豪を退けた。
主将の村山さんは「チームをまとめなきゃとか、自分の仕事をしなきゃとか、考えることがいっぱいありました」と昨年との違いを振り返る。自身はチームで最後に対戦する大将だったが、「前の4人がすごい頑張ってくれて、昨年のように大将につなげようというより、みんなが自分が決めるという形でやってくれたのが、スコア的にも大差になったと思います」と分析。「戦ってる間は必死でしたが、終わってみればあっと言う間でした」とほっと笑顔をこぼしていた。選手は次の通り。敬称略。
【先鋒】▲河島香菜子(3年)
【次鋒】▲小川梨々香(1年)
【中堅】▲近藤瑞紀(3年)
【副将】▲長谷川莉子(3年)
【大将】▲村山ひなこ(3年)
【補欠】▲近藤智穂(1年)▲土田苑果(3年)
【マネジャー】▲和田亜純(2年)