新潟四区選出の菊田真紀子衆院議員は25日午後1時半から新潟市南区・イオン白根店前で街頭演説を行った。たがいに親友と呼び合う蓮舫参院議員も応援に訪れて解散風が吹き始めるなか、菊田氏は「脱原発、反増税、それさえ言っていれば政治家として選挙に当選できると思ったら大間違い」で、困難から逃げずにありのままを伝えるのが「政権与党としての責任」と理解、支援を求めた。
炎天下に支持者約300人が集まるなか、街宣車の上から演説した。白いスーツの蓮舫氏は、政権交代を実現した3年前を振り返った。行政刷新、行政改革、税金の使われ方を透明にすると約束した。この数カ月、党内のごたごたに「組織としての体はどうなんだというご叱責も」あるが、この3年間、民主党が「期待に応えていないことをもう一度、整理して、そして国をしっかり立て直していきたい」と自戒した。
3年前に菊田氏と一緒に行った事業仕分けで、2兆円の埋蔵金を見つけた。半世紀に及んだ自民党政権は金属疲労に陥り、借金の山、少子高齢化、過去最多になった生活保護受給者などの問題が先送りされてきた。
最近の領土問題を含めてさまざまな問題を民主党が担うことになり、この3年間、「菊田さんともども休むことなく仕事をしてきた」、「いろいろなご叱責、ご批判、さまざまな意見」もあるが、政権与党として「国民のためにしっかり仕事をしてきたということ」を伝えたいとした。
社会保障の改革は三党協議、三党合意したが、そこから先は「野党に審議拒否をされてこの問題を前へ進めることができない」との立場を説明。野党は解散を求めるが、衆院選は一票の格差が違憲状態と言われており、「憲法違反をわかって選挙を行うことはできない」。これを是正しなければならないが、自民党が民主党案の審議に応じない状況と訴えた。
今すぐ手を付けなければならない問題が目の前に山積しているときに政治空白を生むのではなく、ひとつひとつの作業に手をつけて乗り越えてゆくことで、少なくとも菊田氏と蓮舫氏は行政改革、行政刷新、無駄の削除については、「これまで以上に力を尽くして皆さま方のために仕事をしていきたい」。中央集権、天下り、中抜きなどを見直し、「この3年間やってきた部分をもう少し、わたしたちに続けてさせていただきたい」と求めた。
菊田氏は外務政務官として活躍し、ミャンマーのアウンサンスーチーさんが解放されたときに初めて会ったアジアの女性政治家と紹介。菊田氏の活動は「本当に親友としても仲間としても誇れるものだと思ってます」と持ち上げ、「もう一度、総選挙になった場合には皆さま方のご支援をいただきながら、次世代のための政治を菊田真紀子さんにさせていただきたい」と、これまで以上の菊田氏への支持を求めた。
続いてあいさつに立った菊田氏は、総選挙の時期について「野田総理がお決めになることであり、わたしはわかりません」。しかし、解散を何かの引き換えや条件にする場合ではない。暑い中、演説を聞きに来てくれた人たちに「残された任期、残された職責を精一杯、果たしていきたいとあらためて決意した」、「政権交代は間違いではありませんでした」と話した。
前政権が残した大きな負の遺産を受け継ぎ、予想しなかったこともたくさん起こったが、いろいろな挑戦をしてきた。「どの政権が担っても、誰がやってもみんなで力を合わせてこの国難を乗り越えていかなければなりません」。しかし、自民党は総選挙を求めてあらゆる法律も予算も通さない「いやがらせをしています」。90兆円の予算の運営に40数兆円もの借金をしなければならない。それを可能にする赤字公債法もこの国会で通さなかったら9月以降、都道府県への地方交付税も止められてしまうと指摘した。
審議拒否や問責決議。税と社会保障の問題も同様。医療費も昨年1年間で38兆円かかることなど、事実を国民に訴え、増税の必要性、原発に依存しない社会をつくりたい、「慎重に中長期的に政策をつくって皆さんに責任ある方針をお示ししなければならない」。そして「脱原発、反増税、それさえ言っていれば政治家として選挙に当選できると思ったら大間違いであります。わたしはあえて苦しいことでもその困難から逃げずに皆さんにありのままをお伝えをさせていただきたい。それが政権与党としての責任」と強調した。
至らなかったことも数々あり、心から詫びなければならないが、途中であきらめるわけにはいかない。蓮舫氏と3年間「死に物狂いで仕事をしてきました」。次は逆風のなかでの選挙だが、「皆さまのお力をお借りして本当にいい社会、誇れるふるさとをつくっていきたい。その願いのもとにまた全力で戦ってまいる決意でございます」と約束、いっそうの支援を求めた。
演説のあと両氏は集まった支持者一人ひとりと握手。若い女性も初めて目の前で見る蓮舫氏に「やっぱりかわいい!」と感激。年配の人も「よろしく頼むいね」とにこにこ顔で握手していた。このあと蓮舫氏は午後6時から加茂市産業センターで開かれる菊田氏の加茂後援会総会、翌26日午前11時から田上町・わか竹で開かれる田上後援会総会にも出席する。