越後線開業、吉田駅開業から100周年だった25日、JR吉田駅では鉄道ファンならずとも「おっ!」と思うような貴重を瞬間を地元の鉄道ファンがカメラでとらえた。
その瞬間は午後3時半過ぎに訪れた。吉田駅は越後線を所属線に弥彦線を加えた2路線が乗り入れ、6本の線路がある。その6線すべてに列車が停車した。6線にずらりと列車が並んだ姿は、誰の目にも壮観に映り、妙にわくわくする瞬間を切り取っている。
この写真を撮ったのは、ケンオー・ドットコムで藤井大輔&芳輔の鉄道コラム「鐵道双見」を兄弟で連載する弟の会社員藤井芳輔さん(29)=三条市南四日町1=。最初からこの瞬間をねらって吉田駅へ向かったわけではない。吉田駅開業百周年記念イベントで吉田駅を訪れ、駅の時刻表を見ているうちに「これは!」と決定的瞬間を発見し、撮影した。
日常の運行では6線すべてに列車が止まることはない。越後線開業100周年の臨時記念列車号が停車したおかげで生まれた瞬間だ。写真左から1番線は臨時記念列車で15:13吉田着、15:50吉田発。1番線と2番線の間の中線は回送列車が留置。2番線は15:33に新潟から吉田着の越後線で、ふだんは1番線に到着するが、1番線に臨時記念列車が停車しているために2番線に停車。折り返し15:39発の新潟行きとなる。
3番線は15:26に東三条から吉田着の弥彦線で、折り返し15:34発の東三条行き。4番線は15:24に弥彦から吉田着の弥彦線で、折り返し15:45発の弥彦行き。5番線は15:42に発車する柏崎行き。ちなみに5番線は1日に3本の発着しかない。
その結果、2番線に新潟からの列車が到着した午後3時33分から東三条行きが発車する3時34までのわずか1分間だけ、「吉田駅全6線に列車が停車」の鉄道ファンをもうならせる瞬間が成立した。