三条地域振興局管内の指導農業士でつくる県央指導農業士会(田巻博会長・33人)は28日、三条市で平成24年度現地研修会を開き、同会会員の果樹農家と柳川新田のコメを生産する農事組合法人の2カ所を視察し、意見交換した。
指導農業士は、先進的な農業経営を行いながら地域農業の振興と農村青少年の育成に指導的役割を果たしていると知事が認定した農業者。県央指導者農業士会は、三条地域振興局の管内の三条、燕、加茂、田上、弥彦の5市町村の農業士を会員に年1回、会場は各市町村持ち回りでこの研修会を開いている。
今回は会員とその家族など20人が参加。午後3時20分から代官島の石黒博之さんのブドウ畑を視察したあと大島選果場に移り、石黒さんから「水稲+果樹の複合経営について」、続いて柳川新田の農事組合法人亜?璃さんじょうの野崎文夫代表に同法人の説明を聴いた。
コメとブドウとナシを生産する石黒さんは、東京の高級フルーツ店では1房1万円余りで販売されているというブドウの高級品種「シャインマスカット」を紹介。労働力や施設、機械、さらに経営の特徴や問題点などを具体的に説明し、新しい加工技術の開発に取り組んでいることも話した。
同じ農業でも、コメや野菜、果樹など、生産する農作物や経営形態などそれぞれ違っていることから参加者は興味津々。質疑では、次々と手が上がり、「シャインマスカット」について、生産地ではどこが先行しているのか、ブドウ生産のメーンにならないのか、ことしは野菜の値段は安いが果樹はどうか、今冬の雪の影響はどうか、果樹があるのにコメの生産をやめない理由、輸出の可能性といった具合に、生産の体制から経営など、さまざまな質問を投げかけていた。
現地研修のあとは、午後5時半から餞心亭おゝ乃で懇親会を開き、意見交換や情報交換を行いながら交流を深めた。