三条市内で創業を目指す人たちが学ぶ「創業塾ポンテキア」の第3回が2日開かれ、先輩出店者の店に出向いて見学する一方、顧客の獲得方法を座学した。
受講者34人のうち、店舗見学は25人、座学は29人が参加。店舗見学は2年半前にオープンした手芸用品と雑貨の店「BonBon」=旭町1=と、1年前にオープンしたカレーとスパイス料理の「くぅ象」=神明町=。いずれも三条市の空き店舗対策事業補助金を利用して創業している。第1回でも「BonBon」の経営者が講師を務めているが、店舗へ足を運ぶことで創業をより現実的にとらえた。
参加者は2班に分かれて市役所から炎天下を歩き、両店を交互に見学。店舗見学シートを手にその場で感じたことを出店者にぶつけた。雰囲気づくりやコンセプトのほか、家賃やリピーターの割合など具体的な数字を確かめる人もいた。
そこで得たデータを基に市役所へ戻ってグループワーク。「いやし系だったけど、言っている言葉は強かった」、「包装がおしゃれだった。あれは購買意欲をそそられるね」、「創業の思いを明確にしておくのが大切と言われたのが印象に残った」と、それぞれ感じたことを率直に言葉にした。コアコンサルティングの土田正憲さんは、顧客を喜ばせることが大事だが、「忙しくなるとほかの店を見る余裕がなくなる」と開業後も改善の努力が必要であることを強調した。
座学では売り上げを3割伸ばすには客数、客単価、購入頻度をそれぞれ10%向上させれば達成できることなど、具体的な経営の手法、さらに集客、見込み客フォロー、販売、ファン化と詳しく学んだ。
「創業塾ポンテキア」は、三条市が空き店舗対策事業として市内の空き店舗で創業を目指す人を対象に新規開業に必要な経営の知識とノウハウを学んでもらおうと8月7日から9月30日まで5回コースで開いている。