認知症とその予防に対する理解が広まるきっかけになればと22、23の2日間、三条市内の緑に囲まれた会場で初めての「山に響く森の音楽会」が開かれ、22日は里山遊びや太鼓と篠笛の野外コンサート、23日は篠笛のコンサートが行われる。
22日は大崎山の中腹にある三条市グリーンンスポーツセンターで「里山遊び100人Happy握手会&太鼓・篠笛野外コンサート」。参加費は1,000円、小学生以下は無料。午前10時にワークショップがオープンして始まり、タロット占い、洋服リサイクル、絵本セラピーなど5種類ほどが行われるほか、フリーマーケットも何店が出店がある。
午後1時から介護予防にも役立つ三条市オリジナル「さんちゃん健康体操」と里山遊び100人握手会。里山遊びはネイチャーゲームインストラクターの指導で、大崎山の自然とふれあうネイチャーゲーム、握手会は参加者で世代を越えて互いに握手しあってコミュニケーションする。
午後4時から「太鼓・篠笛野外コンサート with 書」、続いて「太鼓・篠笛体験教室」。篠笛をは元鼓童のメンバーで、佐渡に居をかまえて世界へも活動の場を広げる狩野泰一さん。南こうせつ、サリナ・ジョーンズ、中西圭三、河村隆一などとの共演もあり、映画の音楽監督や舞台などの音楽プロデューサーとして活躍している。
太鼓は新潟市の郷土芸能万代太鼓がルーツの田村佑介さん。狩野さんの指導を受ける篠笛奏者でもある。ふたりの演奏にあわせて田上町の書アーティスト、あおのよしこさんがライブ感満点の書道パフォーマンスを披露。地元の三條太鼓三小相承会、三条市の篠笛同好会「シノーン会」、狩野さんの弟子たちでつくる「笛吹風(ふうふうふう)」も出演する。
23日は午後6時から下田の森美術館=三条市馬場=で「狩野泰一<篠笛>コンサート with 今泉孝文<ギター>」で、入場料は3,000円、小学生以下は半額、60人先着で締め切り。狩野さんとギターの今泉孝文さんの共演。今泉さんは福島県出身で佐渡在住。狩野さんのアルバム『Fish Dance』に編曲、ギターで参加しており、たびたび狩野さんと共演している。ふたりで『アメイジング・グレイス』、『涙そうそう』、『しあわせに』、『陽だまり』、『越佐往来』などを演奏する。
また、コンサートに先だって午後4時半から今回のイベントの主催者でもある認知症予防教室&元気脳づくりの会「のぞミング」の代表で認知症予防士の長岡和美さん(46)=三条市月岡=が「母と認知症にならない町づくり」をテーマに講演会を行う。
長岡さんは自宅で招待制エステティックサロン「カノン」を経営するエステティシャン。義母が認知症になり、さらに実母も認知症となって介護をするようになったのがきっかけで、介護の難しさに悩み、認知症予防の必要性を痛感した。
2008年に半年ほどの通信教育でNPO法人認知症介入指導協会が定める認知症予防指導士の資格をとった。翌年には三条市の市民総合大学「いきいき元気脳教室」の講師を務めた。身内や有志8人ほどで「のぞミング」を立ち上げ、認知症予防の出前コンサートなどの取り組みを続けている。
長岡さんは、認知症で6年前から通院しいている73歳の実母の介護を続けており、「やっぱり楽しくないと介護は続かない」と言う。脳の活性は「感じること」、「感動すること」で、大勢で一緒に楽しめるのが「音楽」。イベントを行うことで、そこに参加しようという気持ちがすでに認知症の人には大事と考え、今回のイベントを企画した。本来は昨年行う計画だったが、7月の新潟・福島豪雨で三条市が大きな被害を受けたため、ことしに延期した。
「みんなが認知症の知識をもち、町全体で認知症を理解し、受け入れられる、認知症を身近に感じられるようになってほしいと思います」と長岡さんは願っており、認知症の人とその家族はもちろん、認知症の知識があるなしにかかわらず大勢の参加を呼びかけている。
チケットの購入や予約、問い合わせは三条市グリーンンスポーツセンター(電話:0256-38-3968)、下田の森美術館(電話:0256-46-5576)、美容室「マリエ」(電話:0256-46-8817)へ、総合案内は長岡さん(電話:090-4750-3561)へ。