外山産業(株)=外山晴一社長・三条市南四日町4=は10日、グループ企業の(株)グリーンライフ=三条市帯織=で地震に対する設備の「土嚢減震(どのうげんしん)倉庫、床免震倉庫の完成見学会」を開き、国内初の同工法を建物に採用した同社第3倉庫を見学してもらった。
午後1時半から開き、同社の取引先を中心とした建設関係者など約40人が参加。完成した鉄骨造2階建て、延べ面積約3,100平方メートルの土のう減震倉庫と、あわせて完成した同社の危険物倉庫「床免震倉庫」の2種類の地震に対応して建設した倉庫の見学と、「床免震装置について」を北海道大学名誉教授で(株)NewsT研究所代表取締役の石山祐二さんに聴いた。
完成した「土のう減震倉庫」は、鉄骨造2階建ての延べ床面積約3,100平方メートル。土嚢減震工法は、基礎杭を打たずに、地盤改良した土地の上に土のうを敷き詰めて行うもの。地震に対して「免震」より効果は低いが減災のひとつの手法となる。同倉庫の場合は、合計1万5,000袋の信濃川の砂を入れた土のうを2段に敷き詰め、その上に倉庫を建設した。
建設費は、約2億3,000万円。同社によると、杭を打って建設する通常の倉庫とほぼ同額か少し安く減災ができる。また、同工法より効果も高いが免震の工法に比べて2割ほど削減できるという。これまでに道路などに採用されている工法だが、建物の採用は今回が初めてで、国内初の「土のう減震倉庫」の完成となった。
もう1つの「床免震装置」は2枚の板にローラーがはさまれているもので、同工法は建物の床面に免震装置を設置し、地震の揺れを抑制する画期的な工法。同社では、ガソリンなどの危険物を入れておく倉庫を、同工法により建設した。また、グループの外山工業では、同工法を利用した商品開発を検討している。地震に備えた2つの倉庫の問い合わせは、外山産業(電話:0256-32-6041)管理部へ。