7月7日に始まった燕市防災リーダー養成講座4回コースの最終回「ステップ4」が15日、燕市分水公民館で開かれ、地図を広げて地元の危険カ所や課題を洗い出し、対策を考えるグループディスカッションを行って講座を締めくくった。
受講者は、市内の自主防災会や自治会の代表の46人で、この日はうち30人が出席。燕地区と吉田地区は2つずつ、分水地区は1つの計5つのグループに分かれた。各地区の1万分の1の地図を広げて危険カ所に黄の付せんを張って書き込み、その対策をピンクや青の付せんに書いて張って一目でわかるように視覚化。さらに防災や減災の活動計画を立案し、発表した。
講師は長岡造形大学建築・環境デザイン学科の沢田雅浩准教授。同大学復興支援センター長にも就き、中越大震災直後は中越地震復旧・復興GISプロジェクトの事務局長を務め、当時は県職だった鈴木力市長も沢田准教授の指導を仰いでいる。
地震ではとくに危険性が高い所を限定するのは難しく、危険カ所の想定は豪雨水害が中心。ただ、老朽化した空き屋の倒壊、高齢者や被害者のひとり暮らしの避難誘導の問題を指摘するグループもあった。
平成23年新潟・福島豪雨では分水地区の一部に避難勧告を出したが、発表で「信濃川が破堤するような状況にはならないだろう」と話す人や、井土巻や東町の排水の問題を指摘する人もいたが、人命にかかわるような水害被害を想定するのは難しいようだった。
沢田准教授は、「どうやったら懸念をなくせるか考えること」や「アイデアの共有」が大切と言い、出席者は高齢者や子どもを対象にした訓練の実施、地域で水路の清掃、高齢者による消防団組織、町内で食糧の備蓄といった対策をあげていた。