第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅の報告会に100キロを歩き抜いた小学生47人全員が参加し、映像で記憶を振り返り、学生スタッフには感謝状 (2012.9.18)

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第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅の報告会が17日、三条東公民館で開かれ、ことしも8月に4泊5日で、三条市下田地区から最終日の弥彦山登山まで100キロを歩き抜いた4年生以上の小学生47人をはじめ学生スタッフも参加して映像でことしの寺子屋つばさ100km徒歩の旅を振り返り、学生スタッフには実行委員会(嘉瀬一洋会長)から一人ひとりに感謝状を贈って締めくくった。

17日開かれた第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅の報告会
17日開かれた第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅の報告会

100キロを歩いた小学生は全員が親と一緒に出席。学生スタッフは就活や留学、学校都合で出席できない人もあり、32人のうち24人が出席した。5月に始まったスタッフ研修を記録した動画と、学生スタッフの広報課が5日間のようすを撮影、製作した動画を鑑賞した。動画を収録した動画は前日に完成したばかりで、子どもたちの感想文も収録した事業報告書とともに全員に配布した。

団長も務めた嘉瀬会長は協賛企業、関係者、関係団体の協力に感謝し、「何にも増して」我が子を送り出した保護者に感謝。「皆さんが送り出していただくという決意、決心がなければ学生たちも預かる覚悟が決まらなかったと思います」と言い、保護者の承諾を得てから学生スタッフの研修の質が変わり、自ら研修の内容も考えるようになってきたと話した。

第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅実行委員会の嘉瀬会長
第5回寺子屋つばさ100km徒歩の旅実行委員会の嘉瀬会長

子どもたちの感想文を読んだ中に、いつか学生スタッフになって100km徒歩の旅に戻ってきたいとあったことを喜び、これからも勉強、スポーツ、頑張り、「100kmで学んだことを今度は学校の生活のなかで生かして、ぜひ学生スタッフになって戻ってきてください」と期待した。

学生スタッフは、100km徒歩の旅のときは打って変わって、いずれもダークスーツで出席した学生スタッフの発表で新潟公務員法律専門学校1年中村健太さん(19)=新潟市中央区=は、「体力面も精神面も成長」ができたと振り返った。あるできごとをきっかけに自分の意見を人に伝えられなくなり、そのために高校時代は部活で苦い経験をしたこともあったが、今回の参加で「自分の考えを人に伝えることを思い出させてもらいました」と感謝した。しかし、それは「昔の自分に戻っただけ」で、これからも自分を成長させていきたいとした。

学生スタッフの中村健太さんの発表
学生スタッフの中村健太さんの発表

「相手に本気でぶつかると相手も自分に本気でぶつかってくること」を学び、子どもたちに大きな声を出すのでなく、自分が行動で示したら子どもたちがついてきてくれ、「本気になって行動する大切さを学びました」。そして子どもたちには、何事にも真剣に取り組むこと、さまざまなことにチャレンジしてほしい、強く優しい人間になることの3つを求めた。

嘉瀬会長から学生スタッフ一人ひとりの感謝状
嘉瀬会長から学生スタッフ一人ひとりの感謝状

新潟県立大学3年川崎夏美さん(21)=新潟市中央区=は、本番に至るまでの5月からの研修は「決して平坦な道ではありませんでした」。ふだんと違う思考が求められ、ふだんの自分では通用しない環境、子どもたちへの伝え方、リーダーとしてどう班をまとめるか、悩みや葛藤がたくさんあった。子どもたちにとって怖い存在となってプレッシャーを与えたかもしれないと後悔もしたが、子どもたちは「大きく成長した姿をわたしたちに見せてくれました」。子どもたちにぶつけた本気の思いを子どもたちなりに考え、受け止め、行動で示してくれたのがうれしかった。

学生スタッフの川崎さんの発表
学生スタッフの川崎さんの発表

「自分がつらいときこそ、自分以外の誰かを支えることで自分にもっと大きな力が生まれて歩き続けることができることを子どもたちに伝えたかった」。おとなでも難しいことだが、「子どもたちに伝えながら自分に言い聞かせる言葉でもありました」と明かした。

最後の難関、弥彦山登山では、今、子どもたちに伝えられることを精一杯、伝えようと頑張った。水掛けでは、子どもたちは自分が真っ先に水を浴びたいはずなのに、ほかの子どもに水掛けをしている姿を見て「子どもたちはわたしたちが思っている以上にわたしたちの思いを受け止めてくれいる」と感じ、子どもたちと心を通わせ、思いが伝わった実感を喜んだ。

嘉瀬会長に参加した小学生6人が感謝の言葉
嘉瀬会長に参加した小学生6人が感謝の言葉

参加した小学生のうち男女2人も感想を発表。長男を3年間、100kmの徒歩の旅に参加させた赤岸康成さん(43)=三条市=は実行委員会や学生スタッフに感謝の言葉を述べた。サプライズで6人の小学生が嘉瀬会長を前にあらためて感謝の言葉を延べ、最後は合唱や声を限りに「チクサクコール」を行って終わった。

学生スタッフと子どもたちで合唱
学生スタッフと子どもたちで合唱

100km徒歩の旅が終わって1カ月。それぞれの地域や学校に戻ってやや距離ができ、子どもたちには照れもあったが、あの5日間の旅を映像で振り返るうちに離ればなれだった時間の空白が紡がれ、心はあっと言う間に1カ月の自分に戻り、「チクサクコール」で完全に「あのとき」に時間が逆戻りした。閉会しても自分の班を担当した学生スタッフを囲んで笑顔があふれ、学生スタッフに用意した写真やプレゼントを渡す子もいた。

 正真正銘、最後のチクサクコール
正真正銘、最後のチクサクコール

100km徒歩の旅の間、両親は子どもたちの情報から隔絶されており、初めて見る旅の間の我が子のようすに目をくぎ付け。あらためて100kmを歩き抜く難しさを目の当たりにし、目を赤くするお母さんもいた。

実行委員会は10月は休んで11月から毎月1回、学生スタッフとその友だちなどを対象に就活や社会に出て役立つ内容のリーダー養成講座を開き、来年5月からは再び新たな100km徒歩の旅に向けた学生スタッフ研修が始まり、100km徒歩の旅の学びはエンドレスで続く。

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