越後三条鍛冶まつり実行委員会は、23日に三条鍛冶道場周辺で「越後三条鍛冶まつり」を開くとともに、前日22日に燕三条リサーチコアで「日本鍛冶学会」を開き、三条市出身でフランスで活躍する日本料理店「あい田」店主の相田康次さんの基調講演をはじめ、道具の作り手と使い手などさまざまな分野の参加者によるセッションを行う。入場無料でだれでも聴講できる。
日本鍛冶学会は、「作り手と使い手のつながりを考える」をテーマに初めて開く。昨年まで、鍛冶まつりの前日にシンポジウムを開いていたが、他産地や関連業種などでの問題点の共有など、ここから始まるつながりが発展するような継続性のあるかたちに変えた取り組み。
名称は固いが、テーマにあるように道具の「使い手」はほとんどの人が対象となることから、学生や女性、農業、商業、流通、料理関係など興味のある人ならだれでも参加できる。
22日午前10時半から開会式を行い、発起人の国定勇人三条市長、来賓の奈良俊幸福井県越前市市長、薮本吉秀兵庫県三木市長の3人があいさつ。
相田康次さんの基調講演は、午前11時から正午までで、テーマは「日本料理と道具について」。相田さんは、1968年三条市生まれ。20代に芸能界で活躍した後、割烹店で修業を積み、97年、渡仏。ワインの輸出業に携わった後、2005年、鉄板カウンターと和室を備えた「あい田」を開店。08年、パリの日本料理店として初のミシュラン1つ星を獲得。フランス最高の食材を惜しげもなく使い、その魅力を和食の技法でぞんぶんに引き出す料理に定評がある。
基調講演に続いて午後1時半から5時まで、リサーチコアのマルチメディアホールや研修室に分かれて、5つのセッションを開催。午後1時半から「里山再生と道具の関係」、「伝統を守るために変わる若手たち」、「伝統鍛冶と教育の現場」。3時10分から「製品安全は産地に何をもたらすか」、「果樹栽培と農具の関係」をそれぞれテーマに事例報告と会場も交えた意見交換を行う。
何時からでも参加もできるが、席がなくなれば入場できない場合もあるので、確実に入場したい場合は、ホームページに掲載された参加申込書を利用して事前に申し込む。問い合わせは、事務局の三条市経済部商工課(電話:0256-34-5511)へ。
また、23日の越後三条鍛冶まつりは、午前9時から午後4時まで三条鍛冶道場と周辺特設会場で開き、越後三条鍛冶集団技術展、高級打刃物や作業工具や家庭雑貨の展示即売、鍛冶体験やモノづくり体験など多数のイベントを行う。また、この日は「三条マルシェ〜ごった市@ホコテン」も同時に開かれる。
公共交通機関での来場を呼びかけるほか、自家用車での来場では、会場周辺に専用駐車場はないので三条市役所の駐車場の利用を呼びかけている。23日当日は三条市役所三条庁舎から無料のシャトルバスを運行する。