三条市の繁華街、本寺小路など中心市街地の活性化を図ろうと22日夜、「本寺小路あかり物語第八章」が行われ、ことしも青くライトアップした三条別院(通称東別院)や行燈の幻想的な雰囲気のなか、太鼓演奏やカレーラーメンのサービスを市民に届けた。
三条翔く会議所サービス業部会が主催し、午後6時にあかりが点灯した。メーン会場の三条別院は投光器で青く浮かび上がり、協賛を募って製作した鉄製のあんどんや市内の松葉、宝塔院、みのりの各幼稚園ときらきら保育園の園児が作ったあんどんで三条別院参道や一部歩行者天国にした本寺小路にともった。
来場者にはカレーラーメン、カクテル「華路」、鍛冶雑炊を100円で販売した。昨年までは無料だったが、ことしは社会福祉関係への寄付に充てようと有料にした。有料でも100円は安く、食券の販売には開始前から行列ができ、カレーラーメンは開始から10分で260食、鍛冶雑炊は45分で210食を完売した。
本寺小路から行燈で足元だけを照らした参道を抜けると、漆黒のなかに透き通るように青く染まった別院が浮かび上がる。大きな屋根の下には地上の星が広がったようにたくさんのキャンドルの明かりが目に入ると「わ〜、きれいだね〜」とつい声を上げていた。
近くの三条市歴史民俗産業資料館の玄関前では、越後瞽女唄を聴く会も開かれた。三条市名誉市民の小林ハルさんの偉業を顕彰しようというもので、出演は三条市丸井今井邸で開かれている小林ハル瞽女唄保存会瞽女教室の講師、須藤鈴子さん、その生徒の渡辺美千恵さん、笠原里美さん、瞽女唄教室を通った生徒で活動する長岡市のグループ、越後瞽女唄・葛の葉会の室橋光枝さん。小林ハル瞽女唄保存会の野崎久次会長が進行した。
テーマは「あかり揺らめく歴民で瞽女唄を楽しむ」。同資料館の建物は国登録有形文化財に登録されており、伝統ある重厚な建築。館内からの照明で窓や障子のさんがシルエットになり、屋根の曲線が浮き上がるように強調された。
その威容を背景に、しみいるような瞽女唄の演奏は幻想的な雰囲気を引き立てた。前を通りかかった人たちも思わず足を止め、大勢の観客が引き込まれていた。三条別院のライトアップは、30日まで毎晩6時から10時まで、最終日30日は午後9時まで。