寺子屋つばさ実行委員会(高橋克典会長)は22、23の1泊2日、燕市国上・本覚院で、第6回食育学校「はらぺこ塾」を開き、20人の小学生が水とあめなどわずかな食べ物で空腹を体験し、日常にはない経験から食べ物の大切さなどを学んだ。
今回参加した子どもたちは、三条市と燕市の4年生以上の小学生20人。学生ボランティアとして参加している新潟経営大学の学生22人がリーダーになり、同実行委員会のメンバー約10人とともに1泊2日の共同生活を行った。
初日は午前9時半に開会し、食育講座、漬物つくり、国上山ハイキング、近現代史教育授業、写仏、きもだめし、親からの手紙を受けたあと親への感謝の手紙を書いて午後9時に就寝。
2日目は午前5時半起床で、境内の清掃などを行ってから、海での地引網体験。11時ころから昼食の豚汁づくりを行い、正午に迎えに来た親とともに昼食を食べた。この昼食までの間、参加者が口にしたのは水のほかは、1日目の昼食のうどん2本、夜の飴玉1個、2日目朝のバナナ2センチのみ。
1日目の夜は、「おなかすいてきたけど、まだ大丈夫」と肝試しなど笑顔で楽しんでいたが、一夜明けるとエネルギー切れを体感。昼食準備前には口数も少なくなり、ぐったりする子も。「おなかがすいてつらかった」、「おなかがすきすぎて気持ち悪くなった」と最後に振り返っていた。
同会のメンバーによると、それでも2日目の昼食に食べる豚汁の調理をするころから「目の輝きが戻ってきた」。ようやく豚汁とかまど炊きごはんなどを味わい、空腹がやわらげると元気を取り戻していた。
子どもたちの感想では、「食べられなくなっていつも食べてたご飯の大切さが分かった」、「ご飯を作ってくれるお母さんの大変さと大切さが分かった」、「今度から残さず食べる」と貴重な空腹体験の成果を話した。大人たちからは「たぶん強がりだろう」の声もあったが、なかには「このくらいの空腹なら平気」との感想もあった。
「はらぺこ塾」は、空腹体験を通して、人が生きていく中で、つらいという感覚があることで喜びがあることを実感してもらうこと、人が生きていくために不可欠な「食」について関心を持ってもらうことをねらいに開いている。