新潟県第四区選出の菊田真紀子衆院議員は29日、長岡市栃尾市民会館に小宮山洋子厚労相を迎えて対話集会を開き、市民200人余りが参加した。現役大臣の生の声に熱心に耳を傾け、疑問を直接ぶつけた。
はじめに菊田氏があいさつ。先の自民党総裁選で安倍晋三氏が新総裁に決まったことについて「一回、途中で投げ出した人がまた総裁に就くということで」、世界的にも「どうなのという風に思う」と疑問視し、一方で民主党総裁に再選された野田首相には、「横綱みたいにどんとぶれない人」で、自身も「ぶれることなく腹を据えて取り組みたい」とした。
日中問題は挑発や相手の土俵に乗らず、「日本としては冷静に国際法上も歴史的にもこの領土であるという主張を変えずに真っすぐ主張する必要がある」、原発政策について自民党は「10年かけて決めるとおっしゃってる」が、「われわれは2030年代に原発に依存しない社会をつくる」といった考えを示して小宮山厚労相にバトンを渡した。
対話の時間を多く取るため、小宮山厚労相は短く話した。シャープな縦縞の黒いスーツで、元NHKアナウンサーとあってソフトではっきりし澄んだ声。超少子高齢化に伴う社会保障や出生率向上のための子育て支援策、国会議員の定数削減、非正規雇用といった厚労省関連を中心に政府の取り組みを話した。
ふたりで国の財政について話した。財政赤字が1,000円兆円にも膨らんでいて、消費税増税には与野党で合意できたのは、厳しい財政状況の共通認識があるからで、増税には率直に理解を求めた。
参加者に意見を求めると次々と手が上がり、4人が発言した。小宮山厚労相の「大ファンです」と感激して話す71歳の男性は、小宮山厚労相が厚労相就任時にたばこ税増税に意欲を示したことに「わたしのような意志が弱くて(喫煙を)やめられない男もいる」、「せめて私が死ぬまでなんとかたばこの値上げを先生の力で」と阻止を求め、内閣改造でも引き続き閣内に残るよう願った。
小宮山厚労相も菊田氏も日本のたばこは海外に比べると値段が安く、小宮山厚労相は値段が安いと未成年者が喫煙しやすく、厚労省の立場からもたばこで健康が悪化すると医療費がかさむとして理解を求めた。
女性は「小学生レベルの質問かもしれませんが」と前置きして、「1,000兆円の借金はどこに返すんですか?」、「消費税を仮に10%に上げた場合に上げた分からどれくらいの借金を年間、返せるという予定なんですか?」と質問した。
小宮山厚労相は、増税分5%のうち4%は社会保障費の増加分に充てたり、基礎年金の国庫負担を2分の1にする以外は借金の返済に充てたりするとした。女性は納得せず、「どこに返すんですか?」と聞いたが、それにもできる限りわかりやすく答えた。
障害者施設で働く男性は障害者自立支援法などが変わるたびに施設運営が赤字になり、厳しいい状況になっており、改善を求めた。「大の真紀子さんファン」という77歳の男性は、だれが国債を買っているのかと質問した。
ほかにもたくさんの人が手を上げ、自身の声を直接、国政に届けてほしいという参加者の思いが表れていた。小宮山厚労相に花束を渡し、ガンバローコールで締めくった。小宮山厚労相は、この対話集会の前に地元栃尾のスーパー前で街頭演説を行い、対話集会を終わるとすぐに新幹線で帰京した。