14日に三条市の中心地を歩行者天国にして開かれる史上最大、最強、最長の三条マルシェで、さまざまな地域の「食」をコラボレーションする「来ら丼(こらどん)大会」が開かれ、三条特産の車麩(くるまふ)を使った5種類の来ら丼がお目見えする。
来ら丼を展開するのは、全国の首長7人(2011年7月現在)で構成する「ささつな自治体協議会」。同協議会は「ふるさと運動」をスローガンに首長同士の対話と連携で、地域課題の解決や災害時の相互支援体制の構築を図り、地域から日本を元気にしようと活動している。
来ら丼大会は、地域が違う人同士が「食」について話し合い、交流して新しいつながりが生まれ、地域を超えた人と人をつなぎ、自治体同士が強い結束をもってもらおうと昨年初めて第一回来ら丼大会が栃木県の益子町で開かれた。益子町の「お題丼」の「益子イチゴソースハンバーグ丼」に対し、北海道松前町、三重県菰野町、和歌山県印南町、島根県津和野町がそれぞれコラボレーションする料理を考え、北海道松前町の「松前スルメ天丼×益子イチゴソースハンバーグ丼」が優勝した。
大会で優勝した相手先を次回の開催地にする計画だったので本来、ことしは松前町で開催のはずだったが、たまたまこのプロジェクトに接点のあった国定勇人三条市長が直接、三条マルシェでの開催をセールスし、いわば誘致に成功した。
今回の名称は「第2回来ら丼大会@三条マルシェ」。三条の車麩をお題にコラボする佐賀県武雄市の「しし丼」、青森県西目屋村の「白神産ちらし丼」、島根県津和野町の「シュニッツェル丼」、秋田県美郷町の「美郷が牛っと!スルメ天丼」、福島県南相馬市の「絆丼」の5種類が登場し、それぞれ1杯500円で販売し、最も早く100杯を売り切った丼をグランプリに決める。
丼の内容は各地に任せてあるので、当日になるまでわからないが、南相馬市の「絆丼」は三条市で企画。南相馬市特産のブロイラーとの組み合わせで、車麩を入れた親子丼を考案した。もちろん今は南相馬市の鶏肉は使えないので、地元で調達する。
当日は南相馬市から三条市に避難している母娘2人と南相馬市に出向している職員2人、さらに三条市が避難所を開設していた当時のボランティアを加えて最大8人で「絆丼」を提供。丼だけでなく人でも三条市と南相馬市がコラボする。
本番に向けて9月29日、三条市体育文化センターで南相馬市の母娘とボランティア2人、市職員1人で「絆丼」を試作した。車麩はしょうゆとみりんにつけて下準備した。見た目はまるでブタの角煮で、親子丼になんの違和感もなく溶け込んだ。それもそのはず、南相馬市の母娘はいずれも免許をもった病院の調理師。しかも大量の調理に慣れているので、材料の仕込みや調理の段取りにまったく心配はない。
しかもお母さんは三条市へ避難して間もないころ、「車麩を食べ過ぎて具合が悪くなった」というほど、車麩が大好きになった。具合が悪くなったせいで以来、車麩を避けていたが、今回の「絆丼」で久しぶりに車麩を味わい、そのおいしさを再確認していた。「来ら丼大会」は、三条別院エリアにコーナーを設けて開かれ、ほかにどんな来ら丼が並ぶのか楽しみだ。