NPO法人信濃川大河津資料館友の会(早川典生理事長)は6日、信濃川大河津資料館でサケまつりを開き、大河津分水をのぼってきたサケを使ったサケ汁を無料でふるまったほか、信濃川教養講座、俳句を楽しむ会も開いて大河津分水と友の会の活動をPRした。
友の会の会員は約250人と34団体。毎年、サケが遡上(そじょう)する時期にサケまつりを開いており、今回は別の日に開いていた俳句を楽しむ会もあわせて開いた。
サケ汁はサケを使ったみそ汁を大鍋2つ分調理し、おにぎりや漬け物と一緒に同資料館前に張ったテントで無料でふるまい、約150人が味わった。この日は曇り空で、サケ汁と聞いて訪れた近所の人は「こりゃ、いい日ろ。あっちぇねーし、降らねーし」。
サケ汁の味付けに「具がいっぺ入っておいしいね」と舌鼓。大河津分水で工事中の人やたまたま自転車で通りかかった人もごちそうになっていた。「サケまつりは、大河津分水のことを楽しみながら知ってもらうのが基本ですから」と早川理事長は喜んでいた。
信濃川教養講座は、友の会会員で自然環境・建設コンサルタント(株)エコロジーサイエンス=長岡市草生津3=主任研究員の藤塚治義さん(50)=同市狐興野=が講師を務めた。同社は新しい堰(せき)ができたときに魚道に入る魚の調査委託を受け、発信器を付けたサケの遡上を追跡した。そのことについて話し、24人が聴講した。
サケ汁のふるまい後に、藤塚さんは来場者を大河津分水の魚道観察室に案内した。魚道観察室4月から11月までの毎日午前9時から午後4時まで開放されており、藤塚さんは魚道で見られる魚の種類やそれぞれの魚の行動の習性などを説明した。
その間にもガラス越しに時々、魚影を見ることができ、体長50センチはあるサケも姿を見せると「あっ!。サケがいた!」と参加者は子どものようにはしゃいで見学していた。この後の俳句を楽しむ会でも20人余りが参加して大河津分水にちなんだ俳句をひねり、丸一日、同資料館で過ごす人もいた。