燕三条プライドプロジェクト朝カフェ実行委員会は7日、三条市棚鱗の畑で「燕三条『畑の朝カフェ』」を開き、県内外から参加した約30人が、真っ白な花が一面に咲くソバ畑でタケの箸づくり体験や下田産の新米を竹筒で炊いた朝食などを堪能した。
会場は、下田地区の高台にある約2,800平方メートルの睦農園(熊倉睦さん経営)のソバ畑。本来はすでに収穫を終わっている時期だが、朝カフェにあわせて開花させた白いソバの花が一面に揺れる。その向こうに下田郷の雄大な県境の山々。眼下には稲刈りを終えた田んぼに民家が点在し、遠く三条市街地や弥彦山も望む。
ソバを一部分だけ刈り込んでセッティングした客席で、参加者は箸づくりと朝食を体験。箸づくりは、地元三条市のクラフト作家高島かよ子さんの指導で、下田産のタケを三条産のミニかんなで削り、「マイ箸」を完成させた。
食事は、タケの筒を使ってご飯を炊く「竹筒ごはん」づくりを体験した。炊きあがった下田産コシヒカリの新米ごがメーン。ナスやミョウガなど色とりどりの漬物と越後長野温泉嵐渓荘の温泉水から作った塩。加茂のシイタケや生キクラゲ、三条のサトイモやコマツナなどのキノコスープ。燕三条産のブドウ「シャインマスカット」と「ウインク」。蕎麦がき汁粉、地元守門岳のふもとに湧き出るナチュラルミネラルウォーター「千年悠水」の内容で、下田地域を中心にした燕三条産の食材を、燕製の高級カトラリーと、自分で作った「マイ箸」で味わった。
前夜からの雨が心配されたものの、午前7時半の開始のころは、雨上がりの雲がかすみのようにかかって演出効果もさらに高まり、参加者の感想では「すてきな景色を楽しませてもらった」。また、生産者の話を聞きながらの食事には「ふだんよりご飯をたくさん食べた」、県外から参加した女性は「新潟のおいしさを知る良い経験になりました」と、畑の朝カフェが新潟の入口となり、今後の開催に期待する声もあった。
「燕三条『畑の朝カフェ』」は、「燕三条ブランド」の確立を目指す燕三条プライドプロジェクトの一環で、県内でも多品目産地として知られる農業の生産現場から燕三条の魅力を発信しようと、ことし初めて企画した4回のうちの今回が最終回。
同実行委員会の渡辺康弘実行委員長は、これまでを振り返り、参加者をはじめ、農業や工業、商業など幅広い分野からの支援や協力をしてくれた燕三条の多くの人たちに感謝するとともに、「それぞれの回で非常に好評を得たので、今後はその経験をもとに場所や回数を増やしていけるような展開を考えていきたい」と話していた。