燕市砂子塚で生まれたとされる伝説の鬼「酒呑童子」をモチーフとした毎年恒例のイベント「第8回越後くがみ山 酒呑童子行列」が14日午前11時から燕市国上、道の駅国上裏手の酒呑童子神社駐車場をメーン会場に行われる。ことしは参加者に漫画家永井豪さん描き下ろしの酒呑童子をデザインしたTシャツを用意。飛び入り参加も可能で、鬼となって国上山を歩いて下る酒呑童子行列をメーンにさまざまなイベントを繰り広げる。
酒呑童子神社駐車場に8つの店が開店して始まる。スーパーや花と雑貨、和菓子、山野草、地元野菜などを売る店が並び、燕市磨き屋一番館も出店する。
正午から行列の参加者を受け付け、鬼メイクと子ども体験活動を開始。鬼メイクは分水高校などのボランティア16人が午後4時までおとな300円、子ども100円でワンポイント風のちょっとおしゃれな鬼メイクをしてくれる。行列参加者は無料。
子ども体験活動は道の駅国上裏手の健康の森公園で新聞紙や空き箱を使った剣や盾を作り、クイズラリーのようなゲームを行う。そのゴールで待ち構えた職員ふんする鬼と手作りの武器で戦うというストーリーを展開する。あわせて仮設ステージでは正午から開会セレモニーが始まり、鏡開き、かかしコンクール表彰式、分水太鼓演奏、稚児舞と続く。
午後2時からゴールデンライブで演奏やファイヤーパフォーマンスが行われる。目玉はそのオープンニングを務める、フレアバーテンダーで世界大会優勝の実力をもつ燕市出身の富田晶子さんによるパフォーマンスだ。
フレアバーテンダーとは、ボトルやシェーカーでジャグリングを思わせる曲芸的なパフォーマンスでカクテルを作る。映画『カクテル』(1988年)でバーテンダー役のトム・クルーズが演じたことでポピュラーになった。
富田さんはその2009年グアム国際大会で優勝。「美人すぎるフレアバーテンダー」として注目を集める一方、ボトル5本でカスケードができる数少ないフレアバーテンダーのひとりの実力派。NHK BS1の「地球テレビ エル・ムンド」にレギュラー出演している。新潟市でその妙技を披露したことはあるが、県央地域では今回が初披露という。
午後2時から3時半まで国上山中腹の国上ビジターサービスセンターへ酒呑童子行列参加者をマイクロバスでピストン輸送する。3時45分に国上寺で行列の安全を願って祈とうしてもらい、4時に行列が出発。山を下って5時に会場に戻る。
行列参加者には、「デビルマン」や「マジンガーZ」、「キューティーハニー」などの代表作で知られる漫画界の大御所、永井豪さん描き下ろしの酒呑童子をデザインしたTシャツと、願いごとを書くオリジナル絵馬をプレゼントする。Tシャツは5色あり、永井豪さんが原画を描いたとあって県外からの参加申し込みもある。
行列は500人余りで編成。分水太鼓を演奏する山車の先頭で、参加者は鬼メイクをして「鬼軍団」となって山を下り、「外道丸」と「最強鬼」もそれに加わる。外道丸は酒呑童子の幼少の名で、行列の先頭を歩く。外道丸は美少年と伝わり、その役を公募し、7人の応募があった。そのうち20代の警察官を含む40代と60代の燕市内の男性3人が外道丸役に決まった。
最強鬼は、昨年まで行っていた鬼の仮装コンテストをエントリーが少ないこともあって中止したため、その代わりになるものをと設定。約50人が本格的な鬼の仮装で最強鬼にふんして歩く。その間に本番1週間ほど前から毎晩行っている酒呑童子神社のライトアップとキャンドルで飾る鬼火ロードがともる。
5時から到着セレモニーと行列参加者を対象にした大抽選会を行い、6時15分から諸願成就の花火の打ち上げで終了。引き続き6時半からすぐそばの「てまりの湯」で「民話とギターの夕べ〜地域にまつわる昔話語り」が開かれ、入場無料で参加できる。
ことしは新しい趣向も多く、行列の参加に限らず大勢の参加を呼びかけている。行列参加は当日受け付けも行い、参加費はおとな1,000円、子ども500円。問い合わせは、燕市分水地区観光協会(電話:0256-77-7277・分水商工会館内)、燕市商工振興課(電話:0256-92-2111・吉田庁舎)、ふれあいパーク久賀美(電話:0256-98-0770)へ。スケジュールは次の通り。