三条市・法華宗総本山本成寺は、13日の宗祖日蓮聖人の命日に行う法会、御会式(おえしき)の前夜、お逮夜(おたいや)の12日夜に壇信徒などによる万灯行列が行われた。約200人が参加して万灯を押し、団扇(うちわ)太鼓を打ち鳴らして練り歩いた。
行列は日が落ちて真っ暗になった午後6時半過ぎに出発した。先導は本山牛池青蓮華院を出発した本山講中。団扇太鼓を打ちながら「南無妙法蓮華経」と題目を唱え、黒門へ出て、かつての桜土手を右回りする形で南下した。
それに小学生数十人が参加する本成寺万灯奉納会をはじめ、同門の本楽寺=新潟市南区庄瀬=、日蓮宗の実盛寺=三条市本町2=、本山のおとなの万灯の「一灯会」のそれぞれ万灯が行列に加わった。参道の入り口まで進んで参道から赤門を抜け、本堂へ戻るまで約1時間、行列した。
雨が心配されたが、行列が本堂に到着して間もなく降り始め、ぎりぎりセーフ。人の顔も良く見えないほどの暗がりのなかに高さ数メートルある万灯の光が映えた。団扇太鼓のリズムはそれぞれの万灯によって異なり、太鼓の音を聞きつけて沿道の家の人たちが外へ出て、渡されたちょうちんを下げて見物した。
行列が進むほどにどんどん太鼓の音が大きく響いた。鉦(かね)のほかに笛を吹く万灯もあり、「だんだん良くなる法華の太鼓」の言葉通りに盛り上がっていた。本堂前に到着すると太鼓のリズムにあわせて一段と激しくまといを振ってフィナーレ。本堂で万灯を待つ壇信徒はその姿に手を合わせていた。このあと本堂で読経が行われた。