燕市の広報紙「広報つばめ」の初めての「子ども版」が15日発行された。これまで3カ月間、編集会議や取材を行って「子ども版」を完成させた「子ども記者」の終了式がこの日の夜、市役所で行われた。
ことしの「広報つばめ」1月1日号の巻頭特集で、鈴木力市長と小学生との対談し、対談した小学生から子ども向け広報紙の作成の提案があった。それを具体化したのが、今回初めての「子ども版」の発行。市内小学校5、6年生を対象に子ども記者を募集し、申し込みのあった21人を子ども記者に任命した。
取材のテーマも子どもたちで考えた。3つのチームに分かれてそれぞれ「燕三条エフエム放送」、「燕の萬燈(まんどう)」、「燕大花火大会」をテーマに決めて取材。取材先で写真も子どもたちが撮り、記事を書き、編集して完成させた。
広報つばめの真ん中の8ページを「子ども版」とし、それを抜き取ると独立した「子ども版」になる形。本紙より豪華な全ページカラー印刷で、各チームの記事を2ページずつ掲載するとともに、編集後記では子ども記者全員の写真と感想も掲載した。表紙は「Vol.1 創刊号」とあり、シリーズ化確定だ。
終了式では、子ども記者のファイル「活動の記録」を一人ひとりに贈呈。任命書やこの日の最後に撮影した集合写真、子ども版、腕章、IDカードなどを入れ完成するもの。鈴木市長は、子どもの記者の任期は終わったが、「燕市の立派な広報マン、記者」と思い、燕のいい所を発見して友だちや地域の人たちに伝える活動を続け、「名誉記者として活躍してもらいたい」と今後の手腕にも期待した。
車座になって鈴木市長、南波瑞夫副市長、藤沢健一教育長とフリートークも行った。子ども記者の感想について子どもたちは「最初はできると思わなかった」という子が多かった反面、「みんなで協力して取材も成功したし、友だちもできてよかった」、「苦労したけど苦労した分だけいい記事ができた」、「広報を見たときは達成感と満足感があってよかった」と完成を喜んだ。
鈴木市長が苦労した部分を具体的に質問すると、「写真は吹き出しも工夫できたし、文章はみんな赤ペンを使ってきっちりできた」、「カメラの位置やぶれに気をつけた」、「大変だったのは、担当の人から人物を撮るときには、なるべく顔を写せみたいなことを言われたのが難しかった」、「見やすい写真が撮れるように頑張りました」。
保護者に意見を求めると、「全体を通して活字が多いのが印象的で、子どもが見るのでもう少し少なくても」と辛口評価もあったが、「毎回、出席のたびに、にこにこと編集会議に出席している風に感じました」、「担当の方とも仲良くさせていただき、いい経験をさせていただいた」、「いちばん印象に残ったのは、子どもが編集会議から帰りたがらず、子ども同士が仲良くなって、これからの人生にも大きな影響を与えたのでは」と子どもたちの成長も感じ、喜んでいた。
最後に藤沢教育長は、「燕の宝探し、本当にありがとうございました。内容のいいものができました。皆さんのチームワークの結晶と思います」、「学校の勉強以上に勉強してもいいんですからね。またさらに勉強していい記者を目指してください」と子どもたちに期待した。広報つばめ「子ども版」の市の公式サイトからPDFをダウロードして読むことができる。