初めて新潟県が開催地となった日本民具学会大会が27、28の2日間、三条市中央公民館で開かれる。1日目の27日のシンポジウム「鉄と民具─モノをつくる・ひろめる・つかう─」は公開でだれでも無料で参加でき、関心ある市民の来場が期待される。
27日は午前に日本民具学会の理事会や評議員会が開かれ、午後1時からシンポジウム。まず、国立歴史民俗博物館名誉教授の朝岡康二さんが「生活からみる近代金物誌」をテーマに基調講演を行う。
続いて事例発表。日本民俗学会会員の香月節子さんが「三条鍛冶職人の今─その継承と変容─」、地元三条市から前鍛冶集団会長で伝統工芸士の日野浦司さんが「鍛冶をとりまく現況」、新潟産業大学の三井田忠明さんが「貸鍬からみた鍬の変化」をそれぞれテーマに話す。それに千葉工業大学の寺島慶一さんがコーディネーターとなってパネルディスカッションを行い、5時に終わる。
日本民具学会(会長・佐野賢治神奈川大学日本常民文化研究所長)と新潟県民具学会が主催。日本民具学会は、民具学の調査、整理、収集、保存、活用などに取り組む全国組織。昭和51年から毎年、大会を開いているが、今回の第37回大会にして初めて新潟県が開催地となった。それも古代から続くものづくり町の伝統を受け継ぐ三条市で開かれるのは意義深い。
シンポジウムの内容から民具という枠にとどまらず、三条の金物や鍛冶の歴史に興味のある人の来場も待たれる。シンポジウムは入場無料で申し込みの必要はなく、参加したい人は直接、会場で出向く。