燕市教育委員会では27日から31日までの5日間、燕市吉田公民館で燕市遺跡出土品展2012「古代燕に暮らす人々」を開き、奈良時代から平安時代の吉田地区の遺跡で見つかった出土品を中心に、県内屈指の大量の数で発掘されている墨書土器など約200点を展示する。
燕市立吉田北小学校わきを通る大通川放水路が建設されるのに伴い、15年ほど前に発掘調査が行われた大橋遺跡、江添遺跡、北小脇遺跡の出土品のほか、花立遺跡、小諏訪遺跡など9割近くが吉田地区の遺跡で見つかった出土品を展示する。
中でも多いのが、器の底の裏や鍋のふたの表に墨書が記された土器。九世紀代のもので、「品」、「田」、「大」の1文字や「家成」と書かれたものもある。当時は誰もが読み書きできたわけではない。江添C遺跡では300点以上もの墨書が見つかっている。数では県内でもトップクラスの多さで、郡役所のようなものがあり、強い勢力の存在を示している。
また、米納津の遺跡では、役人や貴族が身につける帯飾り、分水では焼き物のすずりや瓦が見つかっており、一定の階級以上の人の存在を裏付けている。いずれにしろ新潟県の奈良時代から平安時代の歴史を語る上では欠くことのできない地域であることを出土品から感じとってもらう。
日曜の28日は午前10時と午後2時半の2回、文化振興係の担当者が展示解説を行い、さらに午前10時から午後2時半まで遺跡体験イベントとして勾玉(まがたま)づくりを行い、材料費の300円で古代アクセサリーの勾玉を自分で手作り体験できる。ほかに、会期中いつでも参加できる遺跡クイズラリーと土器パズルもある。
毎日午前9時半から午後5時まで開場、入場は無料。問い合わせは市教委生涯学習課(電話:0256-63-7002)へ。