県内5市による震災がれきの広域受け入れに反対する市民グループ「未来の生活を考える会・三条」は23日、事務局を置く三条市桜木町、エコロジーショップみずすましで会見を開き、11日から13日に三条市清掃センターで行われた震災がれきの試験焼却中に、同会が測定した放射線データの結果などについて話した。
同会の伊藤得三共同代表、未来の生活を考える会の阿部幸恵代表の2人が、三条市の試験焼却をふまえて同会の行った放射線量の測定結果、三条市のデータの検証、今後の取り組みなどを説明した。
測定は、通称「たんぽぽ」というγ線量を測る機械で行い、試験焼却前、焼却中、焼却後を計16地点で観測。それぞれの地点で10回計測し平均値を出した。
計測方法は、三条市などは、地上から1mほどの空間線量を測定しているが、同会は放射線物質は地表に落ちることが多いとして「接地」と言い、かぎりなく0メートルに近いところで測定。雨の日は実施していない。
測定結果は、県内における空間線量率の通常の範囲内だが、16地点のほとんどで試験焼却中に放射線量が高くなったとすべての数値やグラフを示して説明。また、三条市の公表しているデータも、すべてではないが試験焼却中に数値が若干高くなった同じような傾向を示している地点もあると説明。このデータだけではわからない要因もあるかもしれないが、試験焼却中に線量率の数値が高くなったということは事実とした。
阿部代表らは、不安をあおるつもりはなく私たちが出した結果が確定ではなく、あくまでも推定としたが、今後も市にもさらなる継続調査を求め、同会としも計測を続けていくとした。
「市民の方々と情報を共有してこそ、がれきの受入れについては、どう市にしてほしいかを一緒に訴えていけると思う」と述べ、、三条市が本受け入れを決定する前に、市民に向けての報告会を開きたいとしており、11月中旬ころまでの開催を計画している。
さらに、市に訴えても、復興支援だから、被災地を助けるからとほかの理由の説明がなくはねつけられてしまっている。復興支援も大事だが、支援する側にマイナス要素がある復興支援より、被災地への職員や市民の派遣、被災地が循環するような取り組み、三条産の農産物を被災地に届けるなど、がれき受け入れ以外にできることは多く、その後ならともかく、がれき受け入れをあたかも復興支援のように進めているのは疑問が残るとした。
震災や水害、他県への恩返しをしたいと思うのは人の情けだが、それで健康被害や不安、生産活動できない土地になるのは、両者が望まない。ほかの支援ができることを市や市民に訴え、自らも行動したい。今後も測定や市民への情報提供をしたいとした。