燕三条地域の若手農家などでつくる「燕三条イタリア野菜研究会」(内山徳寿代表・会員27人)=は24日、地域のレストランや料理店のシェフや経営者などとの視察・交流会を開き、会員のブドウやナシの生産現場を見てもらい、食でつながる現場同士の情報交換を行った。
燕三条イタリア野菜研究会は三条、加茂、燕、田上、新潟などの野菜や果樹、キノコなどの生産者を中心に昨年1月に発会。内山代表がイベントで知り合った市内のイタリア料理店のシェフに、イタリア野菜の栽培をもちかけれらたのが活動のきっかけ。ひとりでできることは限られているので、ネギやトマト、ハーブ、乳牛といったそれぞれ専門とする農家に声をかけて組織化した。国内でもイタリア野菜の生産は珍しく、栽培するイタリア野菜の種類を少しずつ増やしている。
その成果はイタリア野菜にとどまらず、以前から生産している野菜や果樹の新規取引にもつながっている。また、取引先も燕三条地域のイタリア料理店をはじめ、日本料理店、カフェ、パン店、菓子店、豆腐店、料理教室、東京や滋賀にも広がっている。
この日は、同研究会メンバー8人とイタリア料理店や三条魚市場新鮮組(石橋昭尚会長)の割烹や料理店など三条、加茂の14人が参加。午後2時過ぎから、ナシとブドウを生産する石黒農園=三条市代官島=、ブドウの岡村葡萄園=新潟市西蒲区=を視察し、いい湯らてい「ゴッツォ・ラーテ」で交流会を行った。
石黒農園の畑では同園の石黒貴之さんが果樹畑の広さや生産品目を説明し、最近は消費者が果物に甘さより、食べやすさや食感を求めるように変化していると話した。新しい品種で、メロンの香りのするナシも紹介した。
洋ナシの「ル レクチエ」は、緑色の状態で収穫し、追熟してから出荷するが、参加した料理店主から「青い状態の今、食べてみたい」とリクエスト。急きょ、その場で試食を行ったのは、生産現場ならではだ。
加茂市・欧風厨房サントピアットの桑原宗紀さんは、厨房に届く食材がどんなふうに作られているのかを知りたい、その生産者に会いたいと参加したと言い、「当たり前だが料理は食材にも責任をもちたい」。ほかの参加者も生産者に次々と質問して、これまでの疑問を自分の五感で確かめていた。