県央地域の救急医療体制整備を図るための「県央地域救急医療連絡協議会」が25日設置され、第1回協議会を開いた。
同協議会は、とくに二次救急を担う医療機関相互の役割分担や連携の方策について、地域住民が安全・安心と思う救急医療体制の整備を図るため、医師会、救急告示病院、消防本部、行政機関などの委員で構成し、県が各振興局単位で設置している。
県央地域は三条地域振興局に事務局を置く。第1回会議では設置要綱や委員、同振興局管内の三条、加茂、燕、弥彦、田上の5市町村と関係機関で構成する委員20人と作業部会委員20人、正副会長、平成24年度事業計画を決めた。会長は三条市医師会の池田稔会長、副会長は市川忠司三条市消防本部消防長とした。
協議事項は、救急医療機関の機能分担と連携、ドクターヘリの効果的運用、医学的観点から救急隊員が行う応急処置等の質を保障するメディカルコントロール体制整備を含む救急搬送、救急医療の地域住民に対する啓発など。今後の作業部会で地域の課題を抽出し、意見交換など図る。
現状説明では、県央医療圏は病院10施設のうち、7施設が救急指定を受けているが救急救命センターを備える施設はない。勤務医師は10年で約30人減り、減少率は県内1位。救急搬送は、医療施設収容までの時間が県平均に比べて約20%長く、域外搬送の割合が20%弱で他医療圏への依存率が高い。
二次・三次の救急医療体制では、二次救急体制は救急指定7病院の輪番体制により日曜・祝日について昼間、年間約70日が構築されている。望ましい目標としては可能な範囲で二次救急の輪番表を拡充する。重傷者の域外搬送においてはドクターヘリを積極的に利用する。
住民啓発についてでは、軽傷の疾病者による救急搬送が全搬送の44%を占めている現状で、必要性が低いと思われる救急搬送要請が半数近くとした。
委員の医師は、応急診療所を立ち上げるときも二次救急についてずっと話し合ってきたが解決できなかったと指摘した。病院の輪番制は医師不足のなかで今の体制になり、試行錯誤の結果、基幹病院の必要性に迫らているので、議論のあり方の再検討や、同じことを繰り返しているような同協議会の設置の意義や進め方に意見や質問も相次いだ。
病院の関係者や作業部会の世代も変わっているので、同協議会の作業部会の成果を期待したいとの意見もあり、1時間ほどで閉会した。