地域の再発見などにつながればとJAにいがた南蒲は28日、初めて「なんかんたんけん隊バスツアー」を開き、参加した43人が加茂市の農家などでシイタケやナシを自分の手で収穫した。
JAにいがた南蒲は、管内で消費者向けに新聞折り込み「新鮮工房」を発行している。そのなかで、地域で採れる農産物や名所をJA職員でつくる「なんかんたんけん隊」がめぐり、地元を再発見する企画を行っており、その一般消費者版をスタートした。
その第1弾が今回の加茂市方面をめぐるバスツアー。チラシで参加者を募集し、親子や友人同士など43人が参加した。午前8時半に今町支店を出発、観光バスで移動してシイタケ、ナシの収穫体験、加茂選果場の見学、「きふね」で加茂産の食材を使ったランチを味わった。
午後から加茂みやげものセンターや加茂山公園を散策、田上町の茂野タンス店で桐タンスの製造などを見学し、1日ぎっしり予定が詰まった内容だった。
シイタケ収穫体験は、加茂新田の大橋正キノコ園と(有)早川農産の2件の栽培農家に分かれて体験。早川農産では、社長の早川孝策さん(38)が、栽培や収穫の方法を説明した。
同社では、菌床栽培という木質チップに米ぬかなどの栄養を混ぜて固めた菌床に菌を植え付ける方法で栽培。菌床は茶色で食パン1斤を少し大きくしくらいのサイズ。1張り約100平方メートル余りのビニールハウス内に6段の棚を設け、計500個以上の菌床が並びあちこちでシイタケがにょきっと顔を出している。
収穫できるのは傘の内側が開いているもので、参加者は薄暗いハウス内で真剣な表情で品定めし、「根元を持ってぽきっと折る感じで」と教わった通りに慎重に収穫した。
体験後に参加者は、収穫までの作業の内容、ハウス内の気温、菌床は繰り返し使えるかなど、早川さんに次々と質問。初めてシイタケの栽培を見た人も多く、「加茂でも(栽培しているところが)あるのね」と、収穫の喜びと地域の魅力を体で感じていた。