化け茶釜の伝説でも知られる三条市新屋、曹洞宗熊野山「長見寺」(五十嵐道雄住職)で28日、昨年秋に続く第2回の手作り市「茶がま市」が開かれた。県外からも含む21店舗が出店し、秋雨がぱらつくあいにくの天気だったが、ことしも大勢の来場者でにぎわった。
五十嵐住職の妻、睦子さん(45)がお気に入りのショップをそろえた「長見寺セレクション」。「心のこもった手作り品」12店、「暮らしを彩る雑貨」4店、「おいしいもの」5店が同寺本堂や境内に店開きした。
県内各地、さらに県外からの出店もあり、午前10時の開場を待たずにどっと客を訪れた。ひとつの店を20人くらいが囲むこともあり、出店者は対応に大わらわ。「おいしいもの」は昼を待たずに売れきれるものも多かった。
それでも午後になると落ち着き、今回のテーマにした「つくる つたえる つながる」にふさわしく売り手と買い手が畳の上でゆっくりコミュニケーションするスタイルになった。
玄関を入ると伝説の由来がつづられた掛け軸とともに化け茶がまが来場者を歓迎した。雨も寒さも厳しくなく、周辺は紅葉が始まっていて雨に濡れた秋の自然もまた一興。小学生の子どものお母さんは「きのうきょうと学校の文化祭で」と息せき切って来場。「見てるだけで幸せ」とにこにこ顔の女性もいた。
“もの”だけではなく、手作り品を作った人、アンティークを集めた人を前にするだけで、それぞれの思いが伝わり、結果的に“もの”が輝いて見え、魅力を増していた。