社団法人日本スポーツ吹矢協会の県央三条支部(米山隆明支部長)が8月22日に開設されたのを記念する大会が、11日午前9時から三条商工会議所で開かれる。県内にある同協会各支部が初めて一堂に会する大会で、県大会開催を目指した第一歩ともなる。
県内にある村上、十日町深雪、海の柏崎吹矢、南魚沼LLSそして県央三条の5つの支部から合わせて38人が参加して公式昇段審査会と交流試合を行う。公式昇段審査会はスポーツ吹矢協会公認指導員の小山泰正村上支部長が審査員となって初段、1級、2級に12人が参加し、合格者にはあとで認定証が交付される。
交流試合は午前11時から午後3時まで個人戦を行う。長さ120センチ、直径13ミリの筒で、長さ20センチの矢を吹く。円心から3センチ、6センチ、9センチ、12センチの同心円が描かれた的を射て、円心からそれぞれ7点、5点、3点、1点を得点する。
競技は1ラウンドで5本の矢を吹き、得点を合計する。満点は35点。的までの距離が6メートルで3ラウンド、8メートルで4ラウンドの計7ラウンドを行い、得点をすべて合計して順位を決める。
県内の協会各支部は、支部ごとに活動していたものの横の交流がなかった。それが今回、最も新しい県央三条支部がホストする形で初めてすべての支部が交流する。そのけん引役となったのが、支部長の米山工業株式会社社長、米山隆明さん(65)=三条市鶴田1=だ。
米山さんはことし3月、知り合いに誘われて市内で行われたスポーツ吹矢のカルチャー教室に参加した。スポーツ吹矢は礼に始まり、筒に矢を入れたら両腕で筒を高く上げながら鼻から息を吸い、筒を下げながら息を吐き切り、再び息を吸って吹く。腹式呼吸も求められる。
米山さんは昭和39年の新潟国体に三条実業高校(今の三条商業高校)の弓道部員として出場。「息の使い方やメンタル面、結果は自己責任であることから弓道と似ていいると思いました」と米山さん。一気にスポーツ吹矢にのめり込んだ。
それからが速かった。5月には三条市体育文化センターで毎週土曜の午前9時から正午までスポーツ吹矢の練習会をスタート。8月22日には県央三条支部を発足した。今の支部会員は三条市のほか、燕市、田上町、弥彦村の10人。
一方で社内でも「チーム米山」をつくった。おそらく県内では初めての企業チームで、社員6人が参加。大会が近いので毎日、仕事が終わると食堂に集まって練習する。15分ていどのつもりが熱が入ると1時間近くになることもあり、みるみる腕を上げている。
米山さんがスポーツ吹矢と出会ってまだ8カ月でここまできた。「どうしても県大会へもっていきたかった」と米山さんは言う。協会会員は全国で4万人近く。愛好者は約20万人とも言われる。首都圏で開かれる全国的な大会は1,000人規模にもなるため、県で大会を開いて出場者をしぼってほしいという要請がある。ほとんどの県に県協会があるが、新潟県にはまだない。その設立に向けた足掛かりにもしたい。
米山さんは県内の支部が集まる大会を年2回は開いていきたい考えだ。「今回でどれくらい皆さんの意識が高まるか。必ずできると思いますよ」と確信する。会員増にも期待する。県央三条支部には、スポーツ吹矢を教える資格のある人がいないので、米山さんが自分で資格を取って教室を開きたい考えだ。大会当日は誰でも見学できるので、気軽な見学を呼びかけている。興味のある人は米山工業(電話:0256-38-5251)へ。