5月から毎月、開かれてきた三条マルシェが年内は10月で終わり、次回は来年1月にあるが、本格的に始まるのは来年度から。すっかり“毎月”に慣れた出店者がそれまで待ちきれずに「みんなで何かやりたいね」と声を上げ、初めての三条マルシェのスピンオフ企画「たまりば市」が12月9日、三条商工会議所で開かれる。
30のブースが並ぶ。雑貨、ハンドメイド、ジャム、リース、ドライフラワー、オーラソーマ、カラーセラピー、カードリーディング、ハーブティーなど。さまざまなジャンルの主に女性が好む商品やサービスを提供する店がそろう。
2週間後に控えたクリスマスがひとつのテーマ。飲食ブースもあり、入り口駐車場には移動販売車を用意するほか、元力士によるちゃんこ鍋100食の無料提供もある。
「休んでいるよりみんなで何かやりたいね」と、企画をスタートしたころの思いを話すのは、実家の美容室「サロンド・エス」=三条市田島2=店内を間借りしてハンドメイド作品や雑貨を委託販売する「Cotta*」の代表、真島沙樹さん(33)だ。出張リラクゼーションClair=同市下坂井=を営む幼なじみの水科和奈さん(33)、それぞれのスタッフと合わせて4人で「たまりば事務局」を務める。
真島さんは3年ほど前にハンドメイドを始め、三条マルシェにはスタートしたころからほとんど出店している。ことし4月から「サロンド・エス」を間借りするようになったが、「春まで休むのがいやだなと思って。マルシェ中心に動いているので」と真島さん。水科さんも店舗をもっておらず、状況は一緒。三条マルシェを待つだけでなく、いっそのこと自分たちでイベントを企画しようとなった。
三条マルシェやほかのイベントで知り合った人に声をかけ、さらに出店した人が知り合いに声をかけて出店を集めた。出店したい人が多く、募集にそれほど苦労はなかった。「ほんとはこんなに大きくするつもりはなくて」と真島さん戸惑いながらも喜ぶ。
当日まで残り1カ月になり、「必死で頑張ってます。初めてなので、あれもしなきゃ、これもしなきゃって、手探り」だが、今回は都合が悪いが、次回は出店させてほしいという声もあり、「続けていければいいよねと話してます」と、すでに継続が視野にある。「あとのことを考えず、とりあえずできることをやろうと思っています」と大きな目を一段ときらきらさせた。
今回は三条市と三条マルシェ実行委員会が後援。広報紙に「たまりば市」の記事を掲載し、市の施設に「たまりば市」のちらしを置く。市地域経営課中心市街地活性化推進室の吉田賢幸主査は「三条マルシェから生まれてきた動きなので、すごく大事にしたい」と言う。
「たまりば市」は「三条マルシェが目指すところ」のひとつだが、「ゆくゆくは中心市街地でやってほしい。プチマルシェみたいな形でどんどんやってくれれば」、「たまりば市に限らず、いろいろなムーベメントが動き出してほしいと思います」と、歓迎するばかりか、新たな期待を上乗せする。「たまりば市」がスピンオフ企画の引き金になるのか、注目される。「たまりば市」に関する問い合わせはCotta*(電話:0256-32-5785)の真島さんへ。