加茂市に住む書家、泉田祐子さん(35)が主宰する「墨遊 はちまき屋」は21日から25日までの5日間、長岡市・新潟県立近代美術館で「墨遊小路書展vol.2 共に-together-」を開いており、泉田さんの作品65点を展示している。
「墨遊小路」は泉田さんのアトリエから世界中へ続く架空の小路。会場を春夏秋冬の4つの「路地」にみたて、作品をその路地の「住人」として展示している。
三条市・(株)諏訪田製作所のオーダーで制作した1.8×3.6メートルの超大型作品「玄の又玄」をはじめ、県内の企業や団体、旅館、個人などからのオーダー作品を含む額装や軸、びょうぶなどが並ぶ。抽象的な文字や象形文字、さらに墨や紙、筆を選び、既成概念にとらわれない幅広い手法で表現するさまざまな個性あふれる「住人」たちが来場者を迎える。
オーダー作品など、すでに泉田さんの手をはなれている作品が多く、今回の書展のために借りた。そのクライアントから作品との出会いや思いなどそれぞれ自筆のメッセージも添えて展示し、来場者は作品とともにメッセージもじっくりと読み、さらに深く楽しんでいた。
初日21日は午前9時過ぎからオープニングセレモニーを行い、会場の2階展示ギャラリー前でテープカット、泉田さんの「書LIVE」で幕を開けた。
「書LIVE」は、30人余りのギャラリーが見守るなか、同書展のテーマで、祈りに使う箱と両手を合わせたという象形文字のような「共」という文字を使った作品「共に歩む日々」を真っ白なパネルに書いた。
墨は濃淡に加えて赤みや青みがかったものも使う。「にじみが見られるようになれば一流」といわれており、そういったところも見てもらえればと話している。5日間とも午前9時から午後5時まで。入場無料。