三条市元町、ラーメン店「龍昇園」(刈屋栄二さん経営)は26日、ことしも五十嵐川に上ったサケをスープに使った「氷頭(ひづ)みそラーメン」を1杯100円の「チャリティーラーメン」として販売し、福島第一原子力発電所の事故で発生から1年8カ月がたった今も自宅に帰れない福島の人のために役立ててもらおうと売り上げすべてを寄付する。
「氷頭」は、サケの頭部の軟骨部分のことで、コラーゲンもたっぷり含む。同店では、五十嵐川で捕れたサケの氷頭のスープと、通常のブタやトリを使ったスープとを合わせたダブルスープを開発。そのスープを使ったみそラーメンを「氷頭ラーメン」(850円)としてサケのとれる1月ころまで季節限定で販売している。
「氷頭ラーメン」の発売にあわせて2004年の中越地震の義援金に寄付して以来、毎年、チャリティーラーメンを行っており、今回で9回目。毎年、ラーメン1杯100円という破格の値段で味わってもらい、その売り上げすべてを国内外の災害地への義援金などに寄付。ラーメンは1杯100円だが、気持ちとしてそれ以上おいていく人もいる。
サケが遡上する五十嵐川は、昨年の水害による本格工事が始まっているが、遡上にはそれほど影響はなかったようで、今冬の同店のラーメン用の氷頭は十分に確保できたという。
26日は「氷頭みそラーメン」200食を用意する。営業は午前11時から午後2時半までと午後5時から売り切れるまで。この日は定休日で、ほかのラーメンは販売しない。
また、チャリティラーメンの販売にあわせて、サケなど生き物の命を頂いていることもあることから、そのお返しに困っている動物のためになればと、新潟市の動物愛護団体への寄付として、洗濯済みの毛布やタオル、タオルケットなどの寄付も受け付ける。ただし中綿が入っていないものに限る。