「地域による学校支援活動」推進で全国121の活動の文部科学大臣表彰が決まり、燕市では初めて燕市立吉田小学校(海藤英紀校長・児童504人)の表彰が決まった。
表彰式は12月3日に文科省で行われ、新潟県内からはほかに新発田市立東豊小学校と上越市の中郷の子どもを育てる会の表彰が決まった。
同校の活動のポイントは、学習指導・安全指導・学校行事などの多様な支援活動、黄色いバンダナがトレードマーク、音楽会や交流給食会を通した感謝の会の開催、交流室を中核にしたボランティアの輪の拡大となっている。
同校では、地域の人たちから学校支援ボランティア「吉小笑顔わくわくサポーター」に登録してもらい、登下校の安全指導をはじめ、自然体験学習や全校登山の支援、無農薬栽培活動の体験、読み聞かせ、町探検などの引率支援、図書館ボランティアなどさまざまな活動で学校を支援している。
サポーター登録は75人くらいだが、地域の団体が代表だけ登録しているケースもあるので、実際に活動できる人は、これよりずっと多い。多くは60歳代以上で元教諭や自営業の人が多い。ことしもすでに延べ2,000人以上が活動に参加し、ほかの学校に比べて群を抜く規模の大きさだ。5年生が妙高で行う自然体験キャンプでも20人ものサポーターが参加するほどだ。
PTA、ボランティア、来校者が利用できる交流室を設けている。学校でボランティア支援が終わると、交流室に集まって反省会。支援の仕方や改善点を考えたり、情報交換したりと、次の支援につなげ、学校の支援を通じて地域への貢献にも取り組む。
年2回、吉小笑顔わくわくサポーターの交流会を開き、広報紙も年2回発行して学区全国に配布。地域コーディネーターの堀健一さん、昨年度までは近嵐久栄さんの力も大きいという。
燕市は平成21年度から市内小中学校の「学校支援地域本部事業」を行い、地域で支える学校、地域ぐるみで育てる子どもを目指し、学校の応援団としての組織化と支援体制づくりに取り組んでいる。
そのなかでも吉田小は先駆者的な存在。それというのも、以前から学校と保護者、地域との連携が盛んだったという下地があった。学校支援地域本部事業がスタートすると一気に組織化や連携が進んだ。それまで学校を中心に地域の団体とがつながっていたが、交流室の開設もあって地域の団体同士の横のつながりが進み、支援が面として広がり、強化した。
今回の表彰に岡崎登教頭は「本当にありがたい。学校だけでなく地域の方々が取り組んできた活動が認められたのは喜ばしいですね」。23日は同校の創立140周年記念式典が行われ、吉小笑顔わくわくサポーターももちろん出席。今回の表彰を発表するほか、児童がボランティアに感謝の言葉を述べ、祝賀会では吉小笑顔わくわくサポーターの活動を記録した写真のスライドショーの上映も行われる。