燕三条地域の若手農家でつくる「燕三条イタリア野菜研究会」(内山徳寿代表)は、三条産の小麦粉でパンを作ってみたいとのリクエストに応えて新潟では珍しい小麦の生産に挑戦。来年6月の収穫を目指して20日、麦踏みを行った。
イタリア野菜研究会は、伝統的な野菜とあわせ、レストランや料理店などからのニーズによってイタリア野菜をはじめ、これまで自分たちが手がけたことのない農作物の生産に挑戦する燕三条地域の若手農家でつくる。
地元での小麦の生産を要望したのは、三条市北入蔵2のパン店「サン・フォーレット」。地域の野菜や果物を使う商品はあるが、パンを作る小麦粉は、県内の生産者は少なく、三条産はこれまで手に入らなかった。
それを受けた小麦栽培への挑戦。内山会長が三条市戸口地内の田んぼ約60アールをほ場とし、10月初めに種をまき、発芽した。
この日は小雨の降るなか、同研究会メンバー、サン・フォーレット、三条市、栽培などに協力する新潟市南区の(株)白熊から10人余りが参加。田んぼには、稲よりも濃い緑色の細長い葉のムギが10センチ余りに成長しており、一列に並んだ参加者が長靴でムギを踏みながら歩いた。
麦踏みは、暖かい地方では霜がおりて根が浮くのを防いだり、苗を強くしたりする。雪の積もる三条ではあまり必要ないが、初めての取り組みでもあり、昔ながらの方法をやってみることにした。
順調にいけば収穫したは6月下旬。内山会長は「自信はまったくない」、それでも、「やってみないと」とすぐに続ける。「自信があるようなら、他の人がやっている」とも。
これまでもイタリア野菜など試行錯誤しながら生産しており、失敗も多々あるという。今回も「ニーズに応えただけ」と、気負いのない笑顔で話していた。