三条市の国定勇人市長は28日、12月定例会の議案概要説明会に続いて記者会見を開き、震災廃棄物の本焼却を見込んだ今年度分の補正予算を計上することなどを話した。
国定市長は会見の冒頭、来年1月から3月まで行う今年度の本焼却の予算1,226.7万円の補正について話した。試験焼却の結果を踏まえて安全性が確認されたことから、今回の震災廃棄物の広域受け入れの手をあげるきっかけになった動機とし、「被災地が困っているなかで、同じ被災経験を持った三条市として何とか手助けをしていきたい、復興のお手伝いをしたい、困ったときはお互い様の精神で同じ日本人として痛みを分かち合いながら苦難を乗り越えていきたい」と補正予算を組んだ。
県との合意に基づくプルトニウムやストロンチウムの検査結果の確認はもちろん、補正予算を市議会で審議してもらって市の最終決定にしたいとした。
補正予算1,226万円余りは、試験焼却で受け入れたのと同じ岩手県大槌町の震災廃棄物の受け入れで、来年1月から3月までの今年度分。1日6.5トンの焼却を見込み、休業日などを除く72日分で最大計468トンを想定した。
内訳は、清掃センター費のごみ処理施設運転委託料(719.7万円)、放射線等検査委託料(248.3万円)など。担当の環境課によると、受け入れルートなどは今後、岩手県と協議する。来年度となる4月以降の受け入れは決まっていない。
また、新潟市が住民の反対行動で試験焼却を延期したことについて質問を受けた国定市長は、篠田新潟市長に電話をしたことを明かした。そこで、今回の見合わせの背景は、震災廃棄物が直接的な引き金ではなく、最終処分場から水銀や鉛が出ていたという課題がそもそもあるなかで、震災廃棄物が結びついてしまったと理解した。
ほかの課題があって、配慮していく必要があるとの決断だったようだと話し、「少なくとも5市の足並みが、それによって乱されたということにはならないのではないかな」と、それぞれの町の事情によって、それぞれのスピード感で粛々と進めていくという、これまで通りで、影響はないのではとの考えを示した。