衆院選公示前夜に新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに公開討論会、約200人が来場して4人の主張を聴く (2012.12.3)

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4日の衆院選公示を前に新津青年会議所(馬場一也理事長)は、3日午後7時から新津地域交流センターで衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区(よく)考えよう」のテーマで公開討論会を開き、約200人が来場してそれぞれの考えを聞いた。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会を開催、左から栗原氏、菊田氏、金子氏、西沢氏
衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会を開催、左から栗原氏、菊田氏、金子氏、西沢氏

パネリストは、金子恵美氏(34)=自民・新=、菊田真紀子氏(43)=民主・前=、栗原博久氏(65)=維新・元=、西沢博氏(32)=共産・新=。新津JC専務理事でフリーアナウンサーの東村里恵子さんがコーディネーターを務めた。

質問は、自己紹介と注力したい分野に始まり、エネルギー政策、財政再建、社会保障制度、最後にまとめと補足の5つ。4人から順にそれぞれの持ち時間内で発表してもらう形式で行い、パネリスト同士の討論は行わなかった。

公示前夜の制限のあるなかでの公開討論会とあって、来場者からは物足りないという声が聞かれたのは仕方ないが、一方でクロストークではなかったものの前の発言を受けた発言もあり、「予想したよりも本音が聞けた」と話す人もいた。公開討論会のようすは撮影した動画は近く新津JCのサイトにアップされる。4人の発言の概要は次の通り。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会

■自己紹介と注力したい分野について

栗原氏 雇用環境の悪化、非正規雇用の増加を憂い、硬直化した国をグローバル化するには国の形を変えなければならない。最近の国会議員はサラリーマン化し、小選挙区制を中選挙区制に直し、互いに競い合う政治をしたい、農業から立て直したい。

菊田氏 与党も野党も経験したので、不毛な党利党略などではなく、国会が決めるべきことを決め、政策を実現する国会の最前線に立たせてほしい。経済、農業の再生が必要で、民主党政権で完全失業率が改善、倒産件数の減少。攻めの農業も追求したい。

金子氏 若い人が将来に夢と希望をもつ活力に満ちた社会をつくる。高齢者の能力が発揮できる環境をつくり、安定した雇用を確保し、景気浮揚策で日本経済の足腰を強くする。中央集権体制を是正し、地方で自主自立的な政策立案ができるような地方分権を進めたい。道路や橋梁の更新整備事業も進める。

西沢氏 深刻なデフレ不況から抜け出すには所得を増やし、内需を活性化するのが最大のかぎ。消費税増税を中止し、大企業の内部留保を中小企業に還元し、企業活動を活発化させる好循環の政策を実施したい。労働者派遣法の抜本的な改正、最低賃金1,000円以上に引き上げたい。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会

■エネルギー政策について

菊田氏 民主党は政権与党として原発停止ができるか議論した。使用済み核燃料、中間貯蔵施設の問題、電気料金の上昇などシミュレーションした結果、ただちに止めることはできず、2030年代までに原発をゼロにする、原発に依存しない社会を実現する。脱原発の過程で雇用にも取り組み、日本は再生可能エネルギーのトップになるよう、手本になるような取り組みをしたい。自民党は10年かけてこれから議論しようというが、あまりにも無責任で、脱原発と言うなら代替エネルギーを示せばより国民にはわかりやすい。

金子氏 3.11後、原発推進と言える人はいない。しかし経済活動の継続にはエネルギー需給に万全を期さなければならない。今の原発は自民党は3年以内に厳しく精査する方針。省エネ推進と再生可能エネルギーに予算を集中していく。地熱など研究開発は予算をかけながら、コストも含めて代替エネルギーとして成立するか時間をかけて考えていかなければならない。独立採算が維持できるかどうかも考え、10年以内に結論を出したい。現実的なエネルギー政策を考えていかなければならない。

西沢氏 即時原発ゼロを政治の責任と考える。二度と原発事故を起こしてはならない。運転する限り核のごみは増え続ける。柏崎刈羽原子力発電所はあと3年余り使用済み核燃料プールが満杯になり、全国のほかの原発も平均6年で満杯になる。ことしは猛暑の夏でも電力不足を乗り切り、電力は足りた。自然エネルギーについていもしっかり代案を示したい。自然エネルギーは潜在的な可能性があり、各地に発電所をつくるので、各地に雇用と仕事が生まれる。経済効果も大変ある。発送電の分離、固定価格買い取りも充実させる。

栗原氏 原爆を投下された国。原発はやめるべき。人間として当たり前のこと。しかし現実と理想は違う。脱原発をやらなければならないが、経済、雇用を考えると、やめるべきだが今はできない。では、産業はどうなるか。油に依存すると日本の生活保護費に近い3兆円かかる。現実として、原発をなくす技術をつくる。日本維新の会は原発はフェードアウトとしている。イランのホルムズ海峡が閉鎖されたら油の値段は2倍になる。理想と現実は違うということ。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会

■財政再建について

金子氏 まずは日本経済の再生。自民党は物価上昇率2%を目標にした。この金融緩和で企業の活動を活発化させる。景気浮揚によって税収が上がる。日本における日銀はいかがなものか。インフレ目標の達成とあわせて経済政策が必要。自民党は国土強靱化を実現したい。とにかく景気対策をしてほしいという声がある。国が財政出動するのために強靱化は大切。借金の付け回しという批判を受けるが、赤字国債ではなく、建設国債。10年間に200兆円で経済を動かすのを政府が責任をもってやるべき。資本、財産で次の世代に責任をもつ政治ができる。

西沢氏 消費税率を引き上げなくても財政再建できる。ひとつは応能負担にあった税制の改革。大企業に応分の負担を求める。所得が1億円を超えると逆に税負担が軽くなる。大企業ほど税負担が軽い。配当金の税率は10%。自民党政権でこういう不公平な税制になった。所得税や住民税の最高税率を引き上げ、高額所得者の社会保障の上限を見直す。為替にかかる税金、環境税を導入。所得税の累進課税を強化。同時に経済の活性化を図る。税、財政の改革で20兆円、国民の所得を増やして20兆円、合わせて40兆円の増収になる。

栗原氏 財政再建は経済を活性化させ、成長させなければならない。民主党は97兆円の膨大な予算を組み、事業仕分けでも3兆円しか減らなかった。民主党が政権を取った4年近くで税収は9兆円減った。円高で民主党政権前の1ドル109円から30円も上がった。公共事業で景気が良くなるというのは大間違い。基礎的財政収支を直し、経済の上昇に政策を変換する。まずは円高を直す。それには日銀法を改正し、日銀と政府が協調し、政策協定をやる。議員定数も減らさなければならない。

菊田氏 財政再建は待ったなし。税と社会保障の一体改革は自公民で通した。党利党略でなく、国民に消費税増税をお願いした。財政再建に取り組む姿勢を国際社会にも示さねばならない。しかし消費税を増税した分は1円たりとも社会保障以外には使わせない。自民党の国土強靱化は1年間20兆円。東日本大震災復興に19兆円を投資する。どうやって国道強靱化の財源が出てくるのか理解できない。建設国債も借金は借金。国会議員はまず身を削らなければならないが、定数削減法案を出したが廃案にされた。来年の通常国会で必ず成立させる。低所得者に対する軽減税率もしっかりやりたい。円高の問題は欧州の金融不安から始まってる。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会

■社会保障制度について

西沢氏 あらゆる分野で危機的になっている。医療崩壊、介護難民と社会保障の基盤そのものが崩れている。再生、充実への抜本的転換を図るのが共産党の基本的立場。年金の削減政策を中止し、段階的に充実させる。無年金、低年金の解消に取り組む。子どもの医療費は無料に。医療費負担は2割に引き下げ、高齢者は1割に。国民年金保険料の軽減、診療報酬の引き上げ。特養を増設して待機者をゼロに、低所得者は利用無料に。保育は待機児童ゼロに、民間保育所を増設。雇用保険の延長、障害者を守る新法の整備も。

栗原氏 社会保障費は年々1兆円増えている。社会保障費の増大は当然、国を守らねばならない。年金は約束したのだから下げるようなことがあってはならない。賦課方式から積立方式に移行しなければならない。医療費の予算は毎年3兆円増えてる。生活保護250万人の負担は3兆4000億円。国民の命、財産を守るのが国家。年金受給者が不安をもつ国家を許してはならない。国家として国民に約束したことは守る政治を党派を超えてやらなければならない。税収を高めて強靱にな国家にするのが政府の責務だ。

菊田氏 国民の総資産は1,300兆円あると言われる。その6、7割が65歳以上の高齢者と言われる。老後の不安が解消されないのが結果として経済や景気の不安定につながっている。前回衆院選では医療崩壊や医師不足が大きな争点だった。民主党で3年連続、診療報酬をプラス会計にした。新潟県の公立病院も全部赤字から黒字にした。5,000万件の消えた年金記録は1,600万件を返した。年金の一元化を目指している。医療、介護の分野はチャンスでもある。この3年間で85万人の新しい雇用が増えた。世界に冠たる社会保障制度、国民皆保険をこれから守っていきたい。制度をつくり、予算をつけて女性の感性が生かされる社会をつくっていきたい。

金子氏 社会保障関連費が国家予算の50%を超え、これからもそのニーズは高まる。社会保障と税の一体改革は自民党も容認している。消費税増収分はすべて社会保障に当てると約束してる。民主党政権になってから社会保障が公助ばかりになっている。自民党は自助、自立を第一に受益と負担の関係は均衡がとれた持続可能な社会保障制度を実現する。年金は保険料を納付した人だけがしっかり恩恵を受けるべきで、公助になりますぎ。医療も国民皆保険が基本。医療資本をしっかり確保し、適正配置することによって、どこに住んでいても均一な医療サービスを受けられるようにする。

衆院選公示前夜、新津JCが衆院選新潟4区から出馬予定の4人をパネリストに「郷土の明日を4区考えよう」のテーマで公開討論会

■まとめ、補足

栗原氏 新潟の電力は、県内の消費量の約6倍を発電している。電気、ガスも新潟が発祥の地。明治の初めまでは新潟の人口は江戸より多かった。この国の形を変える。強い政治の国家をつくらなければならない。新潟こそ表日本だとそういう国づくりを。なぜ日本は戦争に走ったのか。そういう過去を踏まえ、国民と領土を守るのが国家。中央集権の我が国の政治を変えるんだ、そういう先兵となって働きたい。

菊田氏 尖閣諸島は歴史的にも国際法上的にも日本の領土で、中国にも国際社会にもぶれずに主張し続ける。北朝鮮がミサイルの発射予告をし、政府をあげて対応している。日本だけで解決できない問題もある。日米同盟でしっかり対応する。北朝鮮に最も影響をもつのは中国。必要以上に衝突し、交渉の窓口、拉致やミサイルの交渉まで途絶えてしまうことがあってはならない。米国ではオバマ大統領が再選、中国では習金平国家主席、韓国でも新しい大統領が決まり、日本のリーダーと信頼関係を築くことに腰をすえてやっていかねばならない。外務大臣は総理大臣は外遊に行けない。どの政党が政権を担っても外務大臣はあるていどの年数、絶対に変えてはならず、総理も出向かねばならない。海外で日本に対する信頼、尊敬は大きく、胸を張って日本の国の皆さんにも理解してほしい。

金子氏 民主党政権発足後、日本の領土、主権にかかわる問題で周辺諸国が挑発行動を高めた。尖閣諸島の漁船衝突事故、すぐに船長を返してしまった間違ったメッセージを送り、メドベージェフは北方領土に不法上陸した。民主党によって傾かされた日本の威信、外交、安全保障の立て直しが急務。日本人らしさ、日本の誇りを保つ、日本人による憲法を制定しなければならない。地方が元気にならなければ日本は元気にならない。特色のある地方づくり、地域づくりには地方分権を進めなければならない。民主党で政権、政治に対する大きな信頼を失い、国民から見放された。自民党は政治の信義を取り戻す。自民党はわたしのような若輩でも公認候補に決まった。若い人、女性の感性も反映させようと、自民党の改革のあらわれ。建設国債と赤字国債は償還期間が違う。地に足のついた地方議員としての経験を国政に生かし、しっかりした国家観をもって活動したい。

西沢氏 尖閣諸島は日本の領土。外交交渉に大きな問題。竹島問題なども外交交渉でしっかり解決したい。中国との認識の違いも話し合いで解決するのが大事で、その考えは米国の大使とも一致した。憲法はすべての条項を守るべき。とくに憲法九条のおかげで戦後、戦争をしなかった。憲法を生かし切れていない政治に問題がある。TPPは反対を貫く。60年余り続いた古い政治は耐用年数が尽きた。民主党もそこから抜け出せなかった。国民の所得は減る一方で、大企業には260兆円という異常な内部留保がある。大企業はいまだに利益を上げ続けている。非正規の問題も派遣法改正は大企業の要望。消費税増税に諸手を挙げて歓迎したのは経団連会長だった。いじめ、貧困、格差の問題の解決には古い政治を断ち切っていかなければならない。皆さんと一緒に政治を変えていきたい。

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