燕市は来年2月から実証運行、4月から本格運行する新しい公共交通システム、予約制乗合ワゴン車「おでかけ きららん号」の説明会を市内各地で順に開いており、6日は午後7時から吉田産業会館で開き、市民20人が参加した。
燕市が実施するの同様のデマンド交通を2008年から実施している茨城県古河市の取り組みを紹介するビデオを上映、鑑賞してもらったあと、プロジェクターを使って運行方法や利用方法、メリットなどを紹介した。
燕市では燕、吉田、分水の3つの地区ごとに地区内を回る巡回バスと、3地区をまたぐルートを走る循環バスを運行している。
循環バスは着実に利用者を増やしているものの、巡回バスは減少を続けていることから、来年3月末で巡回バスを廃止し、それに代わる形で4月から「きららん号」を運行する。また、循環バスも新庁舎開庁日にあわせて5月から路線変更する。
「きららん号」の運行エリアは、燕地区の東エリアと西エリアの2つのエリアに分けて運行。それぞれのエリア内で移動するのが原則だが、エリアを超えた移動は、新庁舎、吉田北体育センター、小池公民館の3カ所に設ける乗り継ぎターミナルで乗り継げば可能。また、新庁舎、県立吉田病院、吉田駅、吉田産業会館、吉田保健センター、ビジョンよしだの6施設は、エリアを越えて移動できる。
乗合ワゴン車は、運転手を含めて定員10人。東エリア3台、西エリア2台の5台を配備する。利用料金は中学生以上300円、小学生100円、未就学児は無料で、乗り継ぎはさらに同額が必要。運行日は祝日と年末年始を除く月曜から金曜まで。
運行時間は午前7時便から午後5時便まで1時間刻みで、午後1時便だけ除き、1日10便を運行する。それぞれの1時間単位ですべての利用者を送迎する。例えば午前7時便なら、午前7時から8時までの間に利用を予約した人すべてを迎えに行き、目的地まで送り届ける。
大きな特徴が、バス並みの料金でタクシーのように家の玄関まで迎えに来てくれること。その代わりに利用の1週間前から1時間前までの予約が必要。利用者の予約状況にあわせてコンピューターが最適なルートを作成して運行し、乗合乗車となる。また、1時間で回り切れない場合は乗車定員になる前に予約を締め切る場合もある。
出席したのは、マイカーでの移動手段をもたない高齢者が中心。今までにない利用形態の公共交通なので実際の利用をイメージするのは難しかったが、これまでの巡回バスや循環バスにはない便利さを感じることができた。病院の診察が終わる時間がはっきりしない場合はどう予約すればいいのか、病院の外で「きららん号」の到着を待たなければならないのか、ひとりでも利用できるのかなど、それぞれの利用シーンを想像して担当者に疑問をただしていた。
説明会は、新しい公共交通システムを市民に周知し、利用を促進しようと11月26日から12月27日まで分水地区、吉田地区、燕地区の順に市内21会場で計画し、吉田産業会館で7会場目。
会場では、利用に必要な利用登録票を受け付けており、12月末までに利用登録票を提出した人には、実証運行期間中に1回無料で使える無料乗車券をプレゼントする。登録は無料で、少しでも利用する可能性のある人は登録しておきたい。今後の説明会の日程は次の通り。
■分水地区
■吉田地区
■燕地区