燕市社協福祉後見・権利擁護センターの社会人落語家の行政書士を講師にした公開講座、90人余りが参加してエンディングノートや相続を楽しく学ぶ (2012.12.10)

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成年後見制度の理解を深めてもらおうと燕市社会福祉協議会福祉後見・権利擁護センター(野瀬清一センター長)は11月10日から12月22日まで5回コースで「備えてあんしん!シリーズ講座」を開いており、第4回は吉田産業会館で公開講座として開き、社会人落語家でもあるユニークな行政書士を講師に、話題のエンディングテーマを中心に講演を聴いてもらった。

講師の社会人落語家できよみ行政書士事務所を開く行政書士、生島清身さん
講師の社会人落語家できよみ行政書士事務所を開く行政書士、生島清身さん

シリーズ講座は36人が受講登録しているが、この日の公開講座は“終活”などとあわせて最近、関心が高まっている“エンディングノート”を取り上げたこともあってか、94人が受講し、会場は机が足りないくらいいっぱいになった。

講師は大阪府大阪市できよみ行政書士事務所を開く行政書士、生島清身さん。「天神亭きよ美」の名で社会人落語家としても活躍しており、講座では和服で高座の座布団に正座し、落語スタイルで始まった。

生島さんは、好きな着物を着て何かできることはないだろうかと、プロの落語家による入門講座を受けて落語を始めたことを話し、さっそく遺産相続をテーマにつくった創作落語「天国からの手紙」を披露した。

天国の入り口の手前に立った母親が、遺族が相続でもめているのを見るに見かねて遺言書と子どもへの手紙を残すというストーリーを随所に笑いをまじえて演じた。そのまま法的な話へ進め、例えば愛人に全財産を残すと遺書にあっても民法では遺留分権が認められ、減殺請求すれば配偶者だけが相続人なら1/2が遺留分となることや、遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言があり、公正証書遺言は手数料が6万9,000円かかることを紹介した。

さらに「エンディングノートを活用してメッセージを伝えてほしい」と、相続以外にも自分が亡くなった後の希望を書き留めるエンディングノートの活用を勧めた。

94人が来場していっぱいの会場
94人が来場していっぱいの会場

死後の希望を考えることは、生きている今の自分を見詰め直すことにつながる。「若い人が自分の周りを整理して自分にとって大事なものは何かを考えるようになる」という効用もあり、若い人にもエンディングノートを書くよう勧めた。それも1回、書いて終わりではなく周りの状況が変化したら内容を見直すのも大切と伝えた。

自分の死後の環境を想定し、そこから逆算して今の自分を評価するといった考え方は、人生を直線的に将来に向かってだけ考えているのとはまったく違った視点を与えてくれた。来場者は高齢の人が多かったが、具体例をまじえて笑いもあふれた講演を楽しみながら聴き入っていた。


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