毎月、三条市の中心地で開かれる三条マルシェが冬期間は休みになるが、春まで待っていられないと三条マルシェの出店者が主催した三条マルシェのスピンオフ企画とも言える「たまりば市」が9日、三条商工会議所で開かれ、あいにくの大雪にもかかわらず大勢の来場でにぎわった。
この冬初めての本格的な大雪に見舞われた。30店が出店を予定していたが、大雪で会場へ向かうのが困難なため、豪雪地の魚沼市入広瀬の1店が出店を見合わせたほど。朝から雪かきや車の冬用タイヤへの交換に追われた人も多かったのか、出足は鈍かったが、代わりに午後からも客足が衰えず、ゆったりと買い物ができた。
手作りの手芸品やアクセサリーから消しゴムはんこ、女性が作る木工品、祖母から受け継いだ手編みの靴下、食品サンプルのようにリアルな粘土でできた菓子と、見どころはいっぱいだ。
食品は手作りジャムやハーブティー、京都から取り寄せた和菓子、小千谷の農場で栽培された小麦を使った食事パン。会場内ではおろしかきあげどん、イタリアンのそうざい、出張カフェのコーヒーを味わうとことができ、カラーセラピーやフラワーエッセンス、カードリーディングで心を癒し、ネイルやハンドマッサージを体験しと、買い物だけではなく、思い思いに過ごしてリフレッシュした。
三条マルシェのスピンオフ企画ということで、三条市と三条マルシェ実行委員会が後援したが、三条マルシェを担当する地域経営課に勤務した、元力士で福島県南相馬市から三条市へ避難している佐藤聖幸さん(23)は、来場者にちゃんこ鍋200食をふるまって協力した。
イベントの事務局は、実家の美容室「サロンド・エス」=三条市田島2=店内を間借りしてハンドメイド作品や雑貨を委託販売する「Cotta*」の代表、真島沙樹さん(33)とスタッフの須佐有希子さん(37)=同市月岡=、出張リラクゼーション「Clair」の真島さんと幼なじみの水科和奈さん(33)=同市下坂井=と小林魅樹子さん(30)の4人が務めた。
それぞれ三条マルシェに出店しているが、ことしは10月が最後で次回は来年1月、さらにその次は来年度と間が空くことから、自分たちでイベントをやってしまおうと、初めて「たまりば市」を開いた。
真島さんは無事に当日を迎えることができて、「泣きそうになりました」。出店者から次回も誘ってほしいという声を聞き、「次につなげたいと思います。1回で終わらせたらもったいないので」と出店者とは違う充実感を味わっていた。水科さんも「当日を迎えて大変な気持ちが吹き飛びました」。
須佐さんは「この雪の中、たくさん来ていただいて涙が出るくらいうれしい」と来場者に感謝し、小林さんは「わからないことだらけで、いろんなことを教えてもらって勉強になりました。出店者とつながれたのも良かったです」とそれぞれにとって大満足のイベントだった。