燕市産業史料館は16日まで「市川正美彫金展」を開いており、彫金の技法ひとつ、布目象嵌(ぬのめぞうがん)の第一人者として全国に知られる、燕市分水地区の市川正美さん(64)=新堀=の作品41点を展示している。
市川さんは、1948年旧分水町生まれ。金型彫金師のもとで6年間修行し、独立。その後、重要無形文化財保持者(人間国宝)の故鹿島一谷氏に弟子入りし、10年に及ぶ修行で布目象嵌の技法を習得した。
市川さんは、平成14年に正倉院の銀燻香炉の復元にもかかわったほか、各種展覧会で多数の賞を受けている。同史料館での展覧会は、8年ぶり2回目。
布目象嵌の名称は、タガネのキリ目が布の織目のように見えるのが由来と言う。
作品は、黒い鉄の地に、チョウやツバキの花が金や銀の箔で布目象嵌の技法が施された箱を中心に、銅や銀などさまざまな素材の花瓶や香炉、ブローチなどが並んでいる。
開館は、午前9時から午後4時半まで。入館料はおとな300円、子ども100円で、土、日曜と祝日は燕市内の小中学生は無料でその付き添いの保護者1人も無料になる。