西洋ナシ「ル レクチエ」は、年の暮れに出荷期を迎える新潟の冬の味覚。県内有数の産地のひとつ、三条市大島地区でも、歳暮用のピークを終えて、今シーズンの出荷は終盤に向かっている。
「ル レクチエ」は、県内産ナシの締めくくりでもあり、きれいな山吹色の外観と、上品な香り、なめらかな食感、濃厚な甘みが特徴の西洋ナシの高級品種。
贈答用に使われることも多く、歳暮のピークの12月初めから中旬ころにかけてが出荷のピーク。新潟の名産品に育てようと、県としての出荷解禁日が設けられており、ことしは11月23日が解禁日だった。
「ル レクチエ」は、緑色の状態で収穫し、40日間追熟する。表面が山吹色に変わるころが食べごろのサイン。出荷日にあわせて、10月20日ころに収穫しており、その追熟期間の温度や湿度が新潟の気候とあっていることから、本県でおいしい「ル レクチエ」が育つという。
三条市代官島、いしぐろ農園(石黒博之園主)でも、先週末14日までの出荷のピークは一段落したが、年の瀬まで市内をはじめ、北海道から沖縄まで県内外への発送作業は続き、三条市の定期露店市「二七の市」にも出店しており、市民にも三条の自慢の味を楽しんでもらっているという。
今夏は猛暑で雨が少なかったことから、和ナシと共通して小玉傾向だが、その分、味はぎゅっと凝縮されて糖度が高く、「例年よりさらにおいしく、できがよかった」と、石黒さんも味に太鼓判を押す。
シーズンを過ぎれば、来シーズンまで1年間、生の「ル レクチエ」を食べるのは難しいことから、期間限定の味を味わえるのもあとわずかだ。