15日に新潟市・朱鷺メッセで平成24年度国際理解教育プレゼンテーションコンテストに燕市小中川児童館(大橋美樹館長・児童102人)として「ギョウザ作りを通じた国際理解」でエントリーし、特別賞を受賞した高校生3人でつくる「サークル☆パンダ」に28日、燕市教育員会は教育長特別賞を贈り、栄誉をたたえた。
「サークル☆パンダ」のメンバー3人は、燕北中学校の中学生だったころから小中川児童館でボランティアを行っていて今春、別々の高校へ進学した1年生の女子高生。巻総合高校でホッケー部の神保愛奈さん、巻高校で陸上部の松井杏華さん、三条東高校で琴部の関川歩実さん。午前9時から小中川児童館でメンバー3人と小中川児童館の大橋館長に藤沢健一教育長から教育長特別賞を手渡した。
教育長特別賞は、ことし市内小学生を対象に行った燕ジュニア検定でAクラスの6人以上に贈って以来の贈呈。燕ジュニア検定のマスコット、つばけん博士を印刷してラミネート加工した手作り感たっぷりの賞状だ。今回は内容にあわせてイラストのつばけん博士には右手に水ギョーザ、左手に日本と中国の旗を持たせ、頭にチャイナハットをかぶらせた。
コンテストは次世代の国際交流を担う人材を育成しようと新潟県国際交流協会の主催で毎年開かれており、ことしで7回目。中学生部門6チーム、高校生部門8チームが出場し、異文化にふれて学んだこと、調べたことをそれぞれの視点で発表した。
コンテストの存在を知った大橋館長の勧めもあり、3人は水ギョーザの調理実習を通した国際理解講座を企画し、11月10日に同児童館で開いた。同児童館を利用する4年生以下の小学生29人をはじめ、燕北中学校野球部もボランティアとして手伝い、合わせて約60人が参加。地元で暮らす中国出身のお母さんの指導で本場の水ギョーザの作り方を調理実習した。
そのようすをコンテストで10分間にまとめてプレゼンテーションした。当日の調理実習を仕切った現場担当は関川さん。神保さんがプレゼンテーションの原稿をつくるライター、松井さんはプレゼンテーション資料をパソコンソフトでつくるオペレーターを務め、3人の得意分野を生かし、役割分担してまとめた。
当日の講座のようすをイメージしてもらえるように3人はプレゼンテーションの途中でエプロンと頭に三角巾をつけ、会場の人たちを小学生に見立ててコミュニケーションを実演してみせるユニークな演出も。ほかの出場者が海外へ渡ったり、外国の人や分化にふれたりしたことをプレゼンテーションしたのと比べると異色の内容だった。
高校生部門では最優秀賞1団体、優秀賞2団体、特別賞1団体が決まり、「サークル☆パンダ」は特別賞に選ばれたのもうなずける。燕市教育委員会としても、高校生ながら燕市の子どもたちの活躍ということで、教育長特別賞を贈ることにした。
3人は燕北中学校時代からの仲良しで、高校へ進学してからも同児童館に顔を出しているが、部活などが忙しくて顔を合わせることはめっきり減った。神保さんは「久しぶりにみんなで集まることができ、高校はばらばらになったけど、これからもボランティアを続けていきたい」、松井さんは「時間がないなか、コンテストに出場できて、いい経験になった」、関川さんは「愛奈ちゃんと杏華ちゃんに任せっきりでしたが、参加できてうれしかった」と話した。
DVDで3人のコンテストでの発表のようすを見た藤沢教育長は、「国際理解講座の発想のすばらしさが良くわかった」といい、参加者にアンケートをとったり、当日のようすを紙にまとめて書いて館内に掲示していることにも感心していた。
大橋館長は「こういう受賞があると下の子どもが上の子どもを見てあこがれ、いろいろなことを考えてくれるようになるのがありがたいです」と3人が実績を残してくれたことに感謝していた。