元日1日は三条市や加茂市に大雪警報が発表されるなど県内は大みそかの31日から1日かけて年越しは大雪に見舞われ、二年参りや初詣の参拝客の出足は鈍かった。
三条市・法華宗総本山本成寺(石丸日然貫首)の2年参りでは、元日午前0時を迎える少し前から百八発の除夜の鐘が行われた。紅白幕をめぐらせた鐘楼堂で読経のあと、石丸貫首を皮切りに国定勇人三条市長、先の衆院選で初当選した新潟四区の金子恵美代議士、地元選出の佐藤卓之、坂田光子両県議をはじめ、壇信徒、一般参拝客らが次々と鐘をついた。石丸貫主は鐘をつくと本堂へ移動し、読経頂戴の儀の導師を務めた。
年によっては境内がごった返すほどの人出になるが、ことしは人はまばら。それでも午前0時ころには本堂前に裕に百人を超す参拝客が並んで順番を待った。その間も時々、激しく雪が降った。
午前0時の気温は0.3度。日付が変わると、あちこちから「おめでとう!」の声が聞こえ、スマートホーンで新年のあいさつメールなどを送信。参拝者はお焚き上げの火にあたったり、庫裏(くり)でふるまわれた甘酒を味わって体を暖めてから帰っていた。
明けて元日1日、県内一の初詣客を集める越後一宮、弥彦神社も出足は鈍かった。周辺の車の渋滞は相変わらずだが、午後3時ころに拝殿前で参拝の順番を待つ人は200人ほど。例年、御神札授与所の辺りまで、100メートル以上の行列ができるがふつうで、それと比べるとずっと少なかった。
弥彦神社の一の鳥居へ続く神社通りでは、酒店がもちをついてふるまったり、土産物店がお焚き上げで焼くタケ棒の先につり下げたスルメを売ったり。参道には左右にずらりと並んだ奉納された灯ろうがともり、シカ苑付近には露店が並んで、足を進めるにつれて自然と正月気分になる。
社殿前には左右2カ所に臨時の御神札授与所も開設。おみくじを引く人も多く、結果に悲喜こもごも。孫を連れたおばあさんが、おみくじを「恋愛、未来に幸福がある…」とうれしそうに読み上げると、おじいさんは「何が未来ら!」とあきれ顔。大吉を引き当てて「やったー!」と子どものようにガッツポーズのお父さんもいた。
3人の子どものお母さんは、それぞれが引いたおみくじを確認して、最初の子どもには「あっ!、大吉!」と大きな声を上げて喜び、次の子どもには冷静に「中吉」、次の子どもには「小吉…いい、いい!」と口ごもりながら励まし、照れ笑いして話題を変えていた。
本成寺や弥彦神社の参拝客が少なかったいちばんの原因は荒天と思われるが、予報では2日、3日も県内は雪。とはいえ年始に初詣をして一年の家族の健康や社会の安泰を願いたいもの。元日はとりあえず天気が悪いからと初詣を見合わせても、2、3日は初詣に行かないわけにはいかないと盛り返すかもしれない。